怒り ページ35
イトゥクとヒチョルはその日の朝事務所を訪れて、事情を説明する。
ドンヘに少しの間休暇をくれるように頼みこんだ。
何度も頭を下げる兄二人に免じて、ドンヘには一週間の休暇許可が出た。
仕事へ行くバスの中でイトゥクはドンヘの携帯を鳴らす。
ICUを出て携帯に応答した。
DH「ヒョン…。」
LT「ドンヘ…大丈夫か？」
DH「ああ。Aもさっき少し目を覚ました。」
LT「そうか…。」
イトゥクは一週間休みが出た事を告げる。
DH「え…でも…。」
LT「サランもいるんだ…Aの傍にいてやれ…。」
DH「…ありがとう…ヒョン…。」
ヒチョルはイトゥクに携帯をよこすようにジェスチャーする。
HC「ドンヘ。」
DH「ヒョン…ごめん…サラン預けっぱなしで…。」
HC「今はヒョクが宿舎で見てる。あいつ午後から仕事だから、迎えに行ってやってくれ。」
DH「分かったよ。」
ヒチョルはメンバーに聞かれるのも気にせず
HC「ドンヘ…Aから…必ず聞き出すんだ…。」
ドンヘはヒチョルの声色が変わるのを感じる。
HC「ただでは…すまさねぇよ…。」
呟くように言うヒチョルにイトゥクは怪訝そうな顔を見せる。
HC「お前は…手を出すな…。」
Aには…
今…お前が必要だ…
だから…俺が…
そう言いかけて腕を掴むイトゥク。
LT「ヒチョル。」
HC「いいな。必ず聞いて俺に連絡しろ…。」
ヒチョルはそう言って電話を切るとイトゥクに携帯を放った。
LT「やめろよ…変な考えは…。」
変な考え…？
幸せに暮らしていたのに…
やっと笑顔になれたのに…
それを簡単に崩しやがったやつを…
野放しに出来る訳ねぇだろ…
ヒチョルは何も言わず足を組むと、窓の外に視線を移した。
それからわりとすぐ。
ドンヘは一度病院を抜けて自宅に帰る。
Aの着替えを取って、袋に詰める。
シャワーを浴びて、Aの血のついたスーツを脱ぐ。
染み付いた血液の匂いがやけに鼻について顔をしかめた。
病気と闘った時…
怖くて仕方なかった…
Aを失ってしまうんじゃないかと…
何度も震える体を自分で抱きしめた…
でも…
誰かにAを奪われるなんて…
考えもしなかった…
俺から他の誰かに心を移される
そんな事より遥かに…
恐ろしかった…
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かなりん(プロフ) - 更新ありがとうございます。とても綺麗な文章で、引き込まれますぅ！どうか家族に平和な時間が訪れますように！更新待ってます！ (2011年8月30日 15時) (
レス) id: 4f4f5aea3f (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょみん(プロフ) - )みなさん！ こんなにたくさんのコメント本当に感動です(泣)続き頑張りますので、是非最後まで読んでやって下さい！みなさんのコメントとても励みにしています！！ (2011年8月30日 14時) (レス) id: 0cebb6428e (このIDを非表示/違反報告)
あきに‐★ - はじめまして!!めっちゃ最高です★更新まってます！ (2011年8月30日 0時) (レス) id: 37574a400d (このIDを非表示/違反報告)
せぶん - はじめまして、この小説最高すぎます。お世辞抜きに天才ですね・・・！ (2011年8月29日 23時) (レス) id: 39548917bc (このIDを非表示/違反報告)
かほ - 初感想を書かせていただきます(^▽^)この小説、最高です！！ｷｭﾝときたりﾄﾞｷﾄﾞｷしたり読んでいて楽しいです。1日に結構更新してますよね、凄いです！無理はしないでくださいね。これからも楽しみにしています(*^^*) (2011年8月29日 23時) (携帯から) (レス) id: 3d8d39a67d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作成日時：2011年8月28日 21時
