目覚め ページ9
サランはベッドから降りると、Aの体を揺する。
ｻﾗﾝ「ママ…どうしてサランにお返事してくれないの…？」
DH「…サラン…。」
一生懸命泣かないように我慢している姿がいじらしかった。
ｻﾗﾝ「どうしたら…ママはサランとお話出来るの？」
手を引っ張って、力の限り揺さぶってみる。
ｻﾗﾝ「ママ〜起きて！」
サランの目からたくさんの涙がおちる。
それがAの手をぬらしていく。
A…
サランが呼んでいるよ…
もう…充分眠ったんだ…
起きる時間だよ。
ドンヘはサランの後ろに立ってAの髪を撫でる。
DH「A…サランがお話したいってさ。」
そう言って微笑むと、Aの指が反応した。
ｻﾗﾝ「ママの指動いた！」
嬉しそうに言うサラン。
DH「え…？まさか…。」
ドンヘは強くAの手を握る。
DH「A？」
今まで無かった…こんな事は…。
ドンヘは驚いて指が微かに動く度に、それに答えるように手を握る力を強くする。
すると…
重たく閉ざされていた瞼がゆっくりと開いて行く。
ドンヘはまた夢じゃないだろうかと自分の目を疑う。
DH「A！」
Aは少しだけ首を傾けると、ドンヘが握っている手を、微かに握り返す。
その手の反応を感じると、嬉しくて目を潤ませる。
ナースコールで看護師が飛んでくると、続いて医者も入ってきた。
口と鼻のチューブが抜かれ、嫌な促すだけの機械音から弱々しい自発呼吸に戻る。
DH「俺が…分かるか…？」
おそるおそる小さな声で聞くと、小さく、本当に小さく頷くA。
ドンヘはAの手を握ったまま、ベッドの脇に泣き崩れる。
DH「良かった…。」
知らせを聞いたAの両親も病室に駆け込んで来た。
そして二人とも泣いていた。
サランはなぜみんなが泣いているのが理解出来なかった。
ただみんなに見つめられて泣かれているAの手を握っていた。
ドンヘはAの頬を撫でる。
髪を撫でる。
DH「おかえり…。」
そう言ってAに触れるだけの小さなキスを落とす。
ドンヘの涙がAの頬にいくつも落ちる。
Aは微笑むとまた手を、さっきよりも少し強く握り返した。
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ゆちょみん(プロフ) - >皆様 瞳の中の君。後悔してから随分経ちますが、こんなにもコメントを頂いて本当に嬉しいです。ありがとうございます。お返事はしておりませんでしたが、1つ1つ拝見しています^^ 愛して頂いていると時間して感無量です。時々思い出して読み返して頂けたら幸いです。 (2013年4月18日 8時) (
レス) id: dc9a7e9a2f (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 物語が切なくて切なくて…。最後は号泣｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡素敵なお話しをありがとうございました (2013年3月28日 9時) (レス) id: ea57b957fa (このIDを非表示/違反報告)
NoZoMiN(プロフ) - 感動てなき過ぎて顔面崩壊しました。・゜・(ノД`)・゜・。FROM Uは、悲しい終わり方だったので、ハッピーに終わって、良かったです!!! (2013年3月22日 0時) (レス) id: d471faafb3 (このIDを非表示/違反報告)
mina(プロフ) - 感動しました！ついつい家事を忘れ、寝るのを忘れ、食べることを忘れて、夢中に読んでました！すごく良かったです！これからもがんばってください！！ (2012年8月23日 2時) (レス) id: fc9d42ec23 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 昨日読みおわりました！！！もう涙がとまりません(>_<)一番好きな作品です★★ (2012年3月7日 0時) (携帯から) (レス) id: 61dfa53516 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちょみん
| 作成日時：2011年6月27日 0時
