あなたの音に【中村悠一】

「ホットレモンか紅茶か、」 ページ6

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１日目の収録が終わった。

小説を呼んだり
台本を熟読したり
勉強してきたつもりだったのに
それでも、NGは多くて
監督にも何度も注意を受けた。
早口になって合わなかったり
キャラが固まってなかったり。

きっと他のキャストさんにも迷惑をかけた。

今日は家で反省会だ

「おつかれさまでした！次回もお願いします！お疲れ様でした！」

残った先輩たち、監督や音声さんにあいさつをしてスタジオを出た。


マフラーを巻きなおす。


「はぁ…」

そこまで長くない道のりが
重たい足のせいで長く感じる

もう次の仕事はないかもしれない
今回が最後の大きな仕事かもしれない
喉がかわいた、
なにが第2の歌姫だ…
そんなのことない、

悪循環を頭の中でぐるぐるリピートしながら
体は勝手に自販機の前に来ていた

「んー…」

寒いし、ホットレモンにするか
喉は熱いから冷たい紅茶にするか…

レモンと紅茶のボタンを２つ指で押さえた


「んー…どうしよ」

「ホットレモンにしときな？」

さっきまでスタジオの中で聞いていた声が聞こえた




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