あなたの音に【中村悠一】

とある休日-5 ページ39

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引いたドアノブは存外軽くて

「だから、

小野くんはダメなんだよ〜…」

そんな、声がした突如。

「うわっ！」

勢いよく開けたドアの反動に勝てず
前のめりに倒れこんだ。

「Aちゃん？…うおっ！」

絶対痛い‼

ぎゅっと目を瞑る。


…

…

…


けど、

待っても待っても痛さは来なくて
同時に唇を通して軽い違和感が走って
周りでたくさんの声がした。


「A！」

「ん？中村さ…ん？」

「神谷さん、いい加減離れてください」

「おい、俺は不可抗力だぞ」

倒れても痛くなかったのは
神谷さんの上に倒れこんでたから。

そして、唇違和感は

「神谷さんっ」

「やっほー、Aちゃん」

「…っ⁉」

口を手で押さえて
神谷さんを凝視する。

やばい、やからした

先輩を押し倒した上に、

「おい、さっさと立て」

彼氏の前で…。

上を見上げて絶句する。

「なかむら、さん…」



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