あなたの音に【中村悠一】

「久しぶり」 ページ4

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「デュラララ‼」スタジオには
主人公、「竜ケ峰帝人」役の豊永利行さんはじめ
神谷浩史さん、小野大輔さん、沢城みゆきさんら豪華声優陣が揃ってました…。


新人だから早めに来たつもりが…
なんたる失態…。
次回からもっと早く来なくては、


「おはようございます」

「お、おはよう。噂の新人ちゃんだね」

真面目に台本チェックしてる顔をあげ
神谷さんが返してくれた。

「う、うわさ？」

「え？有名だよぉ〜？
池田Aちゃんでしょ？多彩な声で歌も上手くて！シグマ・セブン第2の歌姫！てね」

「うたひめ！？」

そんな、業界にそんな噂が？
水樹奈々姉様の2番に並ぶとは、畏れ多い

「うん！」

「そんな！畏れ多いです！神谷さんから名前を覚えててもらえただけでも、光栄なことなのに！同期に殺されます」

「そんなことないって」

神谷さんは気さくで事務所の違う私にも優しく接してくれて、噂どうりの優しい先輩でした。


すっかり緊張もほぐれて
他の出演者の先輩方とも話せるようになったところに、
ずっと、待ってた声が聞こえた…

「おはようございますっ！すみません、前の収録が少し押してて…、て間に合いました？」

「セーフですよ！中村くん」

そう監督の声に安堵の顔をする人、
憧れてやまない事務所の先輩…

「おそいぞぉ！中村ぁ！」

「すんません、神谷さん」

噂どうり、仲がいいのか
神谷さんと戯れ始めて大きな口を開けて笑ってた

「Aちゃんを見習えよ！」

「え！？わたし！？」

ちゃん付けで呼ばれたことも驚いてるのに
いきなり、話を振られて動揺して敬語が消えてしまった。
がっつり中村さんと目が合ってるし
神谷さんにもみれてるし！

「お、池田さんじゃん、久しぶりやね」


…

…

…

「鋼の錬金術士」の収録以来
事務所でも見かけてあいさつをするくらいで、
顔を覚えてもらえてるかも不安だったのに

「え？はい！池田です！」

ドッと現場に笑いが起きたのは
私のせい、ですよね……。



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