あなたの音に【中村悠一】

「うそだろ」Kamiya ページ17

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あれから３０分くらい。

出て行ったきり帰ってこない後輩。

「ったく、どこまでタバコを吸いに行ったんだよお前は」

台本をチェックしながら
ため息をつく。


珍しくあいつが興味を持った子。
事務所が同じ後輩が期待の新人だから興味がでた兄心なのか？
あぁ見えて世話焼きなところがあるが
そうなのだとしても珍しい食いつき方だったな。

とか、考えながら
台本に目線を落とした時ガチャっと
耳馴染みのある音が聞こえた


「お、おかえり……ん？」

帰ってきた後輩は難しい顔をして
すごい勢いでカバンに手を突っ込みお茶を飲んでた


ゴクゴクゴクゴクッ


「おいっ中村？」

はぁ

「おいってば、
どこまでタバコ吸いに行ってたんだよ」

Aちゃんの後を追い
慰めに行ったのは目に見えてわかっていたが
こんなに遅かったのだ
タバコも吸いに行ってたのだろ。

お茶を飲み終わったかと思えば
1人百面相をしていてなんとも…
見たことがない後輩に少し戸惑った。


「何本吸ってきたんだよ！あんま吸うと喉に…わるい、、？…？」


そういえば、タバコの匂いがしない…

うそだろ、


「…あ…番号交換すんの忘れたわ…」

やっと口を開いたかと思えば


「おい、中村」

杉田自慢ムニムニの頬をつねり振り向かせる。


「にゃんすか、きゃみあさん」




こいつ、落ちたな…




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