*･ﾟ*･ﾟアイドル好きで何が悪い*･ﾟ*･ﾟ

知れば知るほど ページ32

1週間に1度のペースでお食事をしながら、ユノさんは色々なことを話してくれた。


韓国の光州という所で生まれて、ご両親、そして、私と同い年の妹がいること。

今は貿易関係のお仕事をされているけれど、小さい頃はずっと検事を目指していたこと。

習い事も色々していたみたいで、テコンドーや合気道は有段者であること。

音楽が好きで、学生の頃はダンスに夢中だったこと。


全部、私と出会う前のことばかりなのに、楽しそうに話してくれるおかげで、まるで昔からユノさんの事を知っているような気持ちになった。


会えば会うほど、優しくてスマートでいつ見てもイケメンアイドルなユノさんの印象は、私の中で爆上がりして行く。


これ、5回も会って確かめる必要あるのかな。

あ、でも、結婚を前提に付き合えるかを確認しているのは、私だけじゃなく、ユノさんも同じなわけだから……。

実際、会って色々話してみて、ユノさんは今、私のことをどう思ってるんだろう……？


一方的に私だけが盛り上がっているんじゃないかって不安になり始めた4回目の今日。


ユノさんから｢どうしても仕事から抜けられない｣と、キャンセルの連絡が入った。



｢……さて｣

どうしようかな……？


ユノさんには話していなかったけれど、実は今日は私の33回目の誕生日だ。

既に待ち合わせ場所に着いてしまっていた私は、スマホをバッグに戻しながら、ショーウィンドウに映る自分を眺めた。

こころなしか張り切ってしまって、髪の毛も上手く巻けたし、先日買ったばかりのスカートまで下ろしてしまった。

このまま帰るのは勿体ないけど、1人で食事する気分にはなれないし……。



スマホをバッグから取り出して、ダメ元で電話をかけてみる。



『ご飯？行く。ちょうど近くにいるからそこで待ってて』


週末だし、藤木さんとデートでもしているかな？と思ったけれど、藤木さんが出張中だったおかげで、タイミング良くアカリと合流する事が出来た。


そして、本来ならユノさんと行く予定だったフレンチのレストランに、アカリと向かった。

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