サクラの彼 ページ20
元々、人見知りな方ではないけれど、流石に少し緊張が走る。
司会の女の人の合図で、目の前に一人の男性が座った。
「こんにちは。初めまして」
「は、初めまして。よろしくお願いします……」
それはまるで工場の流れ作業の様に、初対面の男性が私の前に座っては、少しお話をして去っていく。を、何度も何度も繰り返した。
初めのうちは、緊張して作り笑いばかりしていたけれど。
人間って、慣れる生き物だということを改めて知る。
ローテーションも15回ほどになると
「初めまして、こんにちは〜」
と、笑顔で言えるようになっていた。
そして、そのローテーションも残り僅かとなった時
「こんにちは。よろしくお願いします」
彼に出会った。
顔を上げた瞬間、光を浴びた。
それはまるで、会場の全てのライトが彼に向けられているかのように眩しくて、思わず手をかざしてしまったほど。
「こ、こんにちは…」
な、な、なんなんだ、このイケメンさんは!!
今までの人と、顔面偏差値が、全っっっ然違う……‼︎
根っからのアイドル好きが、自信を持って承認する。
彼は、アイドルだ。
間違いなく、アイドル顔だ!
「Aさん……って言うんですね」
目の前で、イケメンが笑っている。
私の名前を呼びながら。
「あの…Aさん?」
「は、はいっ!」
どうしてこんな人が、婚活パーティーに来ているのか。
もしかして、送り込まれたサクラとか⁉︎
「初めまして。僕の名前は、チョン・ユンホと言います。気軽にユノと呼んでください」
「ユノさん……」
「僕の趣味は、音楽です。身体を動かすことが好きなので、ダンスも好きです。Aさんの趣味は何ですか?」
「わ、私も音楽は好きです。でも、自分で歌ったり踊ったりするよりは、見たり聴いたりする方が好きで……」
……ウソは付いていない。
だって、アイドルは歌って踊るから!
「そうなんですね。僕は歌を聞いてもらうのも、ダンスを見てもらうのも好きです。気が合いますね」
そう言って、はーはーはーっと豪快に笑ったユノさん。
……いや、いい。
この際、サクラでも何でもいい気がしてきた。
だって、この人。
絶対モテる。。
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ユチコ(プロフ) - ひよさん» ひよさん。嬉しいコメントありがとうございます〜!続きが気になると言ってもらえて気持ちが上がりました!頑張ります☆ありがとうございます! (2022年6月27日 13時) (レス) id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - ユチコさん、こちらの作品に今日初めてたどり着いて楽しいやらキュンとしたりでいっきに読んでしまいました♡めっちゃ続きが気になります〰!でもユチコさんが楽しんで書けるペースで更新して頂けたら嬉しいです。楽しみが1つ増えました♪ありがとうございます! (2022年6月25日 18時) (レス) id: 0cf98dcfca (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - ショコラさん» ショコラさん。読んでくださりありがとうございます!出来る限りペースで更新していきますので、また読んでやってくださいm(_ _)m (2022年6月10日 12時) (レス) @page13 id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - ユチコさん、更新ありがとうございます!続き気になってたので嬉しいです♪ (2022年6月9日 23時) (レス) id: 35f5f32be3 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - すぐりさん» すぐりさん。更新がストップしててごめんなさい(ó﹏ò。)少しでも楽しんで貰えるように、この先のお話も頑張ります! (2022年6月9日 9時) (レス) id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2020年11月22日 21時