知らなかったこと ページ15
「Aさん、こちらのお席へどうぞ」
チャンミンくんを思う存分意識しながらアンナちゃんについて行くと、『予約席』と札が置かれた席へ案内された。
「あれ?私、今日は予約してない……」
「店長から、今日はAさんが来るかもしれないって聞いたから、勝手に予約席をご用意しちゃいました〜。なんか先週末から、急にお客さんが増えちゃったから〜」
「え〜、ありがとう」
座りながら、考える。
それって、今日私がお店に行くって言った事を、チャンミンくんもちゃんと覚えていてくれたってことだよね?
しかも、アンナちゃんにまで私が来ることを話していたなんて。
それって、どんな話の流れから……?
期待でいっぱいになり、アンナちゃんに問い詰めてしまいたい気持ちを押し殺しながら、店内をぐるりと見渡した。
言われてみると、確かに……。
「今日、ちょっと混んでるね」
コソッとアンナちゃんに耳打ちすると、私の耳に口を寄せたアンナちゃんが、他のお客さんに聞かれないように囁いた。
「全部店長のせいですよ」
「え?どうして?」
「先週、突然店長が髪を切ったんです。そしたら、女性客が一気に増えちゃって」
「そ、そうなんだ」
なんだ、バレてるじゃん!
髪切っただけでイケメンなのがバレちゃってるよ、チャンミンくん!
私だけのお楽しみが終わっちゃったみたいで、少しガッカリしながらアンナちゃんを見ると、
「店長目当てなのがバレバレですよね」って愚痴を零した彼女が、もう一度私の耳に近付いた。
「店長は私の大切な人なのに」
ペロッと舌を出してカウンターへ戻って行くアンナちゃんの後ろ姿を見ながら
「……へ?」
マヌケな声が出た。
アンナちゃんの大切な人……?
チャンミンくんが……?
しばらくのフリーズの後、やっと頭が回転してきて、思考が追い付く。
……あ、なんだ。そういう事……?
え、なんだ、そっか!そうだったんだ……!
いや、そうだよね!考えたらわかる。あんな可愛い子が近くにいたら、そりゃ放って置かないよね!
なんだそっか!
カッコイイチャンミンくんに、モデルみたいに可愛いアンナちゃん。
何これ、すっごくお似合いだわ!
しかもアンナちゃんなんか、まだ20代前半だろうし!
そっか、そっか!そうだったのか!
あの二人
付き合ってたんだぁ……。
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ユチコ(プロフ) - ひよさん» ひよさん。嬉しいコメントありがとうございます〜!続きが気になると言ってもらえて気持ちが上がりました!頑張ります☆ありがとうございます! (2022年6月27日 13時) (レス) id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - ユチコさん、こちらの作品に今日初めてたどり着いて楽しいやらキュンとしたりでいっきに読んでしまいました♡めっちゃ続きが気になります〰!でもユチコさんが楽しんで書けるペースで更新して頂けたら嬉しいです。楽しみが1つ増えました♪ありがとうございます! (2022年6月25日 18時) (レス) id: 0cf98dcfca (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - ショコラさん» ショコラさん。読んでくださりありがとうございます!出来る限りペースで更新していきますので、また読んでやってくださいm(_ _)m (2022年6月10日 12時) (レス) @page13 id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - ユチコさん、更新ありがとうございます!続き気になってたので嬉しいです♪ (2022年6月9日 23時) (レス) id: 35f5f32be3 (このIDを非表示/違反報告)
ユチコ(プロフ) - すぐりさん» すぐりさん。更新がストップしててごめんなさい(ó﹏ò。)少しでも楽しんで貰えるように、この先のお話も頑張ります! (2022年6月9日 9時) (レス) id: 9e2d27727e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2020年11月22日 21時