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愛の囚人 完 ページ32
あれから半年…
俺とAはソウルでの日常に戻っていた
「A…準備出来た？」
「もう少しだから」
パタパタと出かける準備をするA
「予約の時間に遅れるよ？
それと走らない！」
「だってチャンミンが急かすから…」
恨めしそうに俺を見るA
「ふて腐れるのは後にして？
本当に遅れちゃうから」
「了解」
車に乗り込んだ俺たちが向かったのは病院
ソウルに戻って直ぐに分かったAの妊娠
今日は６ヶ月目の検診の日
俺が一緒に来るのは初めてだった
こうして一緒に来られたのは先月結婚しそれを公表したから…
手を繋いで院内を歩く俺とAは注目の的だった
だけどそれさえも心地よく感じた
「凄くいい気分」
そう言ってAは微笑んだ
「どうして？」
理由は何となく分かったけどAの口から聞きたかった
「分かってるくせに…意地悪」
「俺が夫でそんなに誇らしい？」
「自画自賛？
…でもその通りだよ…
全世界の人に自慢したい…私の夫はシムチャンミンですって…」
「自慢してもいいよ？」
「…まだ命は惜しいからやめておく」
俺は苦笑いのAも好きだ
夫となった今でも俺はAに囚われた囚人のままだ…
それでいいんだ…
俺はこの先ずっとAに心を奪われた愛の囚人であり続ける
― 完 ―
終わり
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作者名：yuchayuyu | 作成日時：2017年3月21日 6時
