Rock you 6《y.yokoyama》

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あの記事が出てから２週間が経った。



俺の自宅マンションを突き止めた何社かのカメラマンが、未だにマンション付近をウロウロしとる。



念のため、Aをあっちに帰しといて良かった。



今のところ、Aに火の粉がかかったようなことはないみたいやし。



でも今回のことは、正直精神的にめっちゃ堪えたなぁ…。



Aを傷付けてもうた。



俺のことを責めもせんと、黙ってグッと耐えてるAを思うと…もうなんとも言えん思いが込み上げてくる。



はぁ…。
Aに会いたい。
Aのメシ食って、
Aの他愛ない話聞きながら酒飲んで
Aを抱き枕にしてぐっすり寝たい。


なんや、俺。
Aとおるだけで、めっちゃ幸せやったんやなぁ。


リハーサル室でぼんやりとAの事を考えとったら、大倉が声をかけてきた。



｢横山くん、口開いとるよ｣



そう言いながら、ヤツは俺の前の席に座る。



持ってきたペットボトルの水を１口飲んでから、大倉が切り出した。



｢Aちゃんに会うてきたよ｣



｢いつ？｣



そういえばこの間家の場所聞かれたな。
様子見に行ってくれたんか。



｢昨日｣



大倉は持ってたペットボトルをテーブルに置いて、頬杖をついて遠い目をしながら言うた。



｢Aちゃんさぁ、泣いてた｣



｢Aが？｣



｢女の子に目の前で泣かれんのってめっちゃ辛いな｣



｢な、なんで泣いたん…｣



マンションに帰らすときやって、涙見せるどころか、｢ちょうど向こうの家の整理もしたかったし｣って笑ってるくらいやったのに。

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