7 sakuma ページ9
俺には同い年の幼馴染がいて、あぁこの子と結婚したいなって子どもながらに思っていた。
出会いは幼稚園生の時で、俺の引っ越し先の隣の家に住んでいたのが、桃田Aだった。小さい時からほっぺとか鼻先とかが名前の通り桃色で。「ももたAです」と、引っ込み思案だった俺よりもはるかに堂々と挨拶していたのを鮮明に覚えてる。
人見知りだった俺を思ってか、幼稚園と小学校低学年くらいまでは、常に俺の側にAは居てくれた。
特別仲がいい訳ではなかったけれど、「私も人見知りなんだよね」って優しい嘘をついて側に居てくれるAの存在は、俺の中で本当に大きかった。
とびきり優しくて、頭も良くて、趣味も多くて、それでいてめちゃくちゃ可愛くて、そんなAは、俺とは違って人気者で。いつも周りに人がたくさん居て。
そんなAの隣にいつも俺は居た。
Aのことを段々と好きになっていくのは、それはもう当然なことだったし、あっという間なことだった。
運動会のかけっこでビリだった俺は、毎度のことに悔しくて涙目になりながら応援席に向かっていたのだけれど、そんな俺にAは、「大介！ずっと見てたよ！今までで一番速かったね！凄いじゃん！」と満面の笑みで声をかけてきた。その時のAの笑顔がとびきり可愛くて、俺、心の中で、「この子と結婚したい」って本気で思った。
その日からAの良いところを見つけるたびに、好きだな、可愛いな、なんて思いを膨らませて。
バレンタインデーに「これ。余ったやつだけどあげる」と、Aから貰ったチョコは、どのチョコよりも輝いて見えたし、心底嬉しかった。
でも、後から、友だちからAが別の子に本命のチョコを渡していたことを知って、家で少し泣いてしまったりもした。
中学に入れば、どちらからともなくAと距離が空いてしまった。
ジャニーズに入ったこともあり、部活はやらないでいた俺は、部活で弓道を頑張っていたAをいつも帰りがけに少しだけ見ていた。
ギリギリと弓を張ってパンっと的を射る姿は、本当に綺麗で、中学3年間見惚れるようにただただ遠回りして弓道場の横の道を歩いて帰った。
卒業する時に、たまたま俺のクラスを通りかかったAを見つけて、わざとらしくボタンを気にする素振りをすれば、優しいAは、「ボタン残ってるなら貰ってあげようか」と俺のボタンを貰ってくれた。
そんな会話が、俺たちの最後の会話だった。
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minmin(プロフ) - 花子さん» 毎度コメントありがとうございます！喜んでいただけて嬉しいです！ (2022年3月19日 0時) (
レス) @page43 id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
花子 - うわあああ(TT)♡♡♡もう今回ばかりはこの興奮を文字に表せません。いつも語彙が壊滅的ではありますが(笑)兎に角最っ高です(TT)♡ (2022年3月18日 20時) (レス) @page42 id: 6a4a78fe0e (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - 花子さん» 男らしい部分とのギャップ感じていただけで嬉しいです！ (2022年3月18日 16時) (レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
花子 - 半袖姿を想像してにグッ。ときちゃいました(^^)♡この３ヶ月がどんな３ヶ月になるのか考えただけでドッキドキです！更新有り難うございます♡ (2022年3月17日 20時) (レス) @page40 id: 6a4a78fe0e (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - 花子さん» LINEはこだわって書いてるので嬉しいです^_^ (2022年3月17日 10時) (レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：minmin
| 作成日時：2022年2月26日 1時
