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「…帰る訳ないじゃん」
「ほー。相変わらずやっさしーね!Aは」

その台詞も何度聞いた事か。

「うるさい。寒い。コンポタ買ってこい」
「素直に褒めてんのにお前って奴は!買うけど!買うけどね!」

そう言って「こんにゃろ」と大介は自販機に向かって走り出して。
こんなやり取りも、なんだか懐かしい。
「これもでしょ」と私にコンポタに加えて水を持ってきてくれた大介。
私がいつも、コンポタ飲んだ後に喉が乾く!って怒るから予め水もセットで買ってきてくれてたことを思い出した。

「へー、やるじゃん。私のことよくわかってんな」
「まーなー。何年友だちやってると思ってんの」

“友だち”って言葉、昔の私なら「クソ!何が友だちだよ!」ってキレてたんだろうけど、今聞けば悪くない響きだ。
大介のことが好きだったことも、良い思い出だったよねなんて、急に思えるようになる。
ちょっとカッコよくなってたくらいで、私たちって良い友だちだったじゃんね。
鼻高々な大介を見て、ふはっと吹き出してしまう。
そんな私を見て、大介は目をくりっと丸めた後、安心したように笑った。

「なんかこないだより元気あんね〜」
「大介に会って元気出た」

私が言えば、大介はチラッと私を見た。
しばらく何も喋らないでいるから、私が首を傾げれば、大介はニカッと笑う。

「…なんだそれ。俺、会いに来てよかった?」
「うん、よかった」
「ほぇー」

そう変な返事をした大介は、何故か黙る。
こんな変な間すら懐かしい。
昔もよくこうやって、変なところで黙りこんでた。

「変な奴ー」
「はぁ!?普通だろ俺」
「ちょー変。てか、なんで急に来たの?」
「…なんでも何も会いたいからじゃね?」

会いたいから…ね。
相変わらず思わせぶりな口調をするけれど、大介はこういう奴。
大人になった私もいい加減わかってくるモンだ。

私が大介の言葉にふぅんと頷きながらも、コンポタの缶がうまく開かなくて、手こずっていたら、大介は無言でスッと私の手から缶を取って、いとも簡単にプシュっと開けてくれる。

「ありがと」
「ん」

こんな小さな会話ですら懐かしい。
なのに、しっかりと大人になって歳をとった私たち。

いつ、そんなに手が大きくなったの。力強くなったの。声が低くなったの。
聞きたいことはたくさんあるけれど、何故か聞いたら悲しくなりそうなので聞かないでおく。

隣で黙って自分もコンポタを飲んでいる大介も、同じ気持ちなのかな。となんとなく思ったりした。

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minmin(プロフ) - 花子さん» 毎度コメントありがとうございます!喜んでいただけて嬉しいです! (2022年3月19日 0時) (レス) @page43 id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
花子 - うわあああ(TT)♡♡♡もう今回ばかりはこの興奮を文字に表せません。いつも語彙が壊滅的ではありますが(笑)兎に角最っ高です(TT)♡ (2022年3月18日 20時) (レス) @page42 id: 6a4a78fe0e (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - 花子さん» 男らしい部分とのギャップ感じていただけで嬉しいです! (2022年3月18日 16時) (レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
花子 - 半袖姿を想像してにグッ。ときちゃいました(^^)♡この3ヶ月がどんな3ヶ月になるのか考えただけでドッキドキです!更新有り難うございます♡ (2022年3月17日 20時) (レス) @page40 id: 6a4a78fe0e (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - 花子さん» LINEはこだわって書いてるので嬉しいです^_^ (2022年3月17日 10時) (レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:minmin | 作成日時:2022年2月26日 1時

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