23 watanabe ページ25
俺が懐かしい話を一頻り話せば、「そんなこともあったね」と佐久間は自分でも面白そうににゃははと笑って聞いていた。
「俺自分に自信無かったから嫌だったのよ。翔太みたいにモテる奴にA見られるの」
「にしても、お前すげー顔だったよ。Aの事は忘れろ！とか意味わかんない事言ってくるし」
「にゃは！今からでも遅くねーから、Aのこと忘れてくんねーかな」
「お前まじで頭おかしいな」
「初恋なんてそんなもんでしょ」と佐久間はピンクの頭をユサユサ揺らしながら笑って言うけど、どう考えても、そんなもんじゃない。好きすぎる…というより、愛がすごい。
佐久間は加えて恥ずかしそうにしながら「マジでA以外の子眼中に無かったの俺」と言う。
「告白されても全部好きな子がいるって断ったし」
「うん」
「バレンタインのチョコAのが一番嬉しいって言ってみたり」
「うん」
「わざと漫画を家に忘れて、次に会う口実作ったり」
「うわ」
「買ったばかりのケータイで遊びたいからって電話番号聞き出したり」
「キモ」
「Aの弓道してる姿が見たくて、帰り道わざわざ遠回りしたりもしてたよね〜」
「怖、ストーカーじゃん」
なんともまあ、大分拗らせている初恋の思い出話をしてくれた。
「それでAちゃんよく引かなかったな」
「引くどころかAも俺のこと好きだったらしいよ」
「嘘つくなよ」
「本当だわ」
佐久間は「まぁじ嬉しいよね」とニヤニヤし始めて、今度は腹立たしくなってくる。
でも、その後に
「…俺、なんで告らなかったんだろー。会えなくなる事分かってたのに」
と、もう一度、楽屋にゴロンと横になって天を仰いだ佐久間は、どこか悲しそうな顔をしてた。
そうだよな、そりゃそんな好きだったんだもんな。
「そしたら、俺ずっとAのこと手離さなかったよ。もう今頃、結婚してた。くそー」
ちゃらんぽらんしてるようで、意外と一途で頑固な佐久間のことだ。
もし、中学生時代に告白して付き合っていたら、本当にそのまま結婚までしていたかもしれない。充分にあり得る話だからこそ、悔しいんだろうな。
「今からでも遅くないだろ」
「だよな。今度こそ俺のモンにしてやる」
さっきまで死ぬほど病んでいたのが嘘かと思うほど、佐久間はひょっこりと起き上がって「仕事頑張るぞー！」と意気込み始めた。
そう上手くいくものかね？と思いながらも、友だちの恋路を、こんなにも心底頑張れよと思ったことは無い。
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minmin(プロフ) - 花子さん» 毎度コメントありがとうございます！喜んでいただけて嬉しいです！ (2022年3月19日 0時) (
レス) @page43 id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
花子 - うわあああ(TT)♡♡♡もう今回ばかりはこの興奮を文字に表せません。いつも語彙が壊滅的ではありますが(笑)兎に角最っ高です(TT)♡ (2022年3月18日 20時) (レス) @page42 id: 6a4a78fe0e (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - 花子さん» 男らしい部分とのギャップ感じていただけで嬉しいです！ (2022年3月18日 16時) (レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
花子 - 半袖姿を想像してにグッ。ときちゃいました(^^)♡この３ヶ月がどんな３ヶ月になるのか考えただけでドッキドキです！更新有り難うございます♡ (2022年3月17日 20時) (レス) @page40 id: 6a4a78fe0e (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - 花子さん» LINEはこだわって書いてるので嬉しいです^_^ (2022年3月17日 10時) (レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：minmin
| 作成日時：2022年2月26日 1時
