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JN「Aさん、最近来てなかったね〜」
「ちょっとレポートが大変で……」
JN「ここでやれば良かったのに」
「本がたくさん必要だったので、図書館にいました」
JN「そっか」
ちょっと寂しそうにするジュンさんに「寂しかったんですか?」なんて調子に乗って声をかけると、彼は顔をお盆で隠した。
JN「あ〜〜」
「ん?」
JN「な、なんでもないデス」
ふうん、と思いながら、私はキャラメルラテのマグを手に取った。
「ん〜!おいし」
JN「ほんと?よかったぁ」
「いっつも美味しいですよ」
JN「んふふ〜、オレもこれがお気に入りなの」
知ってます、と内心で返した。確か一番初めにこれを飲んだのは、ジュンさんがおすすめしてくれたからだった。
JN「ケーキも美味しいよ!」
「いただきます」
ふわふわ、もちもち。フォークでシフォンケーキを一口切り分けて、ぱくり。それからもう一口、今度はクリームを乗せて、ぱくり。
甘くて柔らかくて、中に入っているダージリンの香りも良くて、ついつい目元が緩んでしまう。
JN「……顔が美味しいって言ってる」
「美味しいです」
JN「よかったぁ」
ジュンさんもにこにことしてマグに口をつけた。ふと、マグカップを包む私の手と、マグの取っ手を掴むジュンさんの手の大きさが違うことに気がついて、まじまじと見てしまった。
JN「ん?」
「いや、手が大きいなと思って」
JN「え?そう?」
ぐ、ぱ。握って開かれた手はやはり大きくて、男の人の手という感じだ。
す、と手のひらを私に向けられて、自然と私も手のひらを合わせる。
手の幅が広い。節の少し目立つ、すらりとした指が綺麗だなぁ、なんてしみじみしていると、するりとその指が折りたたまれて、私の手をぎゅっと握った。
「!?」
JN「んひひ、ちっちゃい」
途端、ドキッとして、心臓がぎゅうっとした。うわ、イケメンのそれはずるいのでは?
「じゅ、ジュンさん、」
JN「ん〜?」
「さ、さすがに、恥ずかしいと言いますか」
JN「あっ、ご、ごめん!そうだよね、恥ずかしいよねっ」
ぱっと手が開放されて、ホッとしたような、寂しいような。
JN「ちっちゃくてかわいいなぁ〜とか考えてたら、つい!」
「う……」
しっかりしろ、自分。ぽわぽわしたこの人のことだから、きっと他意はないのだ。きっと気になってそうしただけなのだ。
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ゆび(プロフ) - ayanaさま、ご指摘ありがとうございます!大変失礼致しました……!!!すぐ訂正いたします! (2023年3月29日 9時) (レス) id: b9570136cf (このIDを非表示/違反報告)
a y a n a(プロフ) - コメント失礼します!!最新話なのですが、96ではなく97ではないのでしょうか、、?? (2023年3月29日 8時) (レス) id: fce2a2e828 (このIDを非表示/違反報告)
ゆび(プロフ) - たまこ様、コメントありがとうございます〜!クプス書かせていただきますね!!気長にお待ちいただければ幸いです!! (2023年2月9日 21時) (レス) id: b9570136cf (このIDを非表示/違反報告)
たまご(プロフ) - 初めまして!初コメ失礼します。いつも癒されながらお話読ませてもらってます(^-^) メンバーのリクエストなのですが、もしできたらスンチョルのお話が読んでみたいです!お願いします! (2023年2月8日 16時) (レス) @page17 id: ed9ba444b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆび | 作成日時:2023年1月28日 20時