関西のあの子

＊ ページ4

龍太side

｢ちょっと龍太くん、どういうつもりなん？｣



康二が正門を引き剥がして俺を無理やり立たせる。



力加減をされずに掴まれた腕が悲鳴をあげる。


「ちょ、康二、痛いっ。」



｢恭平の家泊まりに行ったってなに？そんなん俺聞いてないし。｣



俺の抵抗も虚しく益々腕の拘束は強さを増すばかり。



「こうじっ、痛い！はなして！」



｢ゆるさへん。龍太くんはそんなに俺を怒らせたいん？｣



目が据わっている康二をみて恐怖を覚える。




ポケットに入っている秘密兵器を握りしめるけれど、今ならこれ無しでも泣けそうだ。




「康二っ、これは違っ...」



｢違うって何が違うん？

黙って他の男と遊びに行って俺が怒らんとでも思ったん？｣




ギリギリと拘束を増す腕が痛いのも相まって、もう、ほんとに泣きそう。




ちらりと大吾の方をみて助けを求めるも、
そのままいけ！とサインを出される。


恭平はやりすぎたかとオロオロしてるし...



｢龍太くんは俺のこと好きちゃうのっ？

他の男と色目使っていちゃいちゃして、


本当は俺の事なんてどうでもいいんやろ！！！｣




その言葉にビクリと体が震える。



ああ、大吾。



秘密兵器、要らんかったわ。



目にじわりと涙が滲んでくる。



重量に逆らうことなく、その涙はボロボロと目から溢れて頬を伝う。



「ふぇっ、ちゃ、ちゃうもんっ、うぅ、」



俺の泣き出した姿を見て周りにいた大吾以外のジュニアがギョッとする。



「いろめ、っ、なんか、おれよぉ使えへんもんっ、！」



子供みたいにボロボロ泣いて、

本格的にぐずり出した俺に康二を含め皆が慌てる。



翔真｢りゅ、龍太くん！泣かないでください！｣



流星｢ちょっと！康二くん！龍太くんはなしてください！！｣



風雅｢龍太くん！大丈夫ですか！！｣



長尾｢龍太くん泣かすとか、最低です、！｣



康二｢ちょっ、ちょ、龍太くんごめんなさい！そんなに腕痛かった？ごめんな？おっきい声出しすぎたよな？ごめん！！龍太くん！！ごめんなさい！！｣




真鳥｢康二、ちょっとあっち行こか｣



誠也｢俺たちとあっちで話しよか｣



funkyのみんなが喚いている康二の首根っこを掴んで引き摺っていった。



俺はというと、

まさかこんなに泣いてしまうとは思わななかったし、

びっくりして余計に涙が止まらない。

何だか呼吸もどんどん苦しくなってきて、

あれ？






息ってどうやってするんやったっけ？

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