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道枝side


俺が怒ってもなんにも分かってそうな顔をみて、俺は


(あぁ、好きだったのは俺だけやったんか)


(恭平くんは無理に付き合ってくれてたんか)



そう思うと言い表せないぐらい悲しくて苦しくて、


でも俺のわがままで恭平くんを縛り付ける訳に行かないから、



ろくに恭平くんの話も聞かずに別れを切り出した。




そのまま振り向かず扉の方にズカズカと歩いていく。



途中で康二くんに声をかけられたけれどまともに返事なんて出来そうになかったから短く返事をして横を通り過ぎる。



後ろの方で恭平くんが俺の名前を呼ぶ。





(そんなんされたら、決心が揺らぐって...!)



少し泣きそうになった。




『ドンッ』




すると背中が急に重くなる。




首をひねってみると恭平くんが俺の背中に顔を埋めて早口で話し出す。



恭平「みっちー、まって、


おねがい。



ごめんなさい。



おれ、み、みっちーが、なんで怒ってるか


わ、わからへんねん。




でも、でも、

みっちーと無理して、つ、付き合ったりとか



そんなんし、してへんっ!」




恭平くんの声がどんどん震えてくる。




恭平「なんで、


おこっ、おこってるか教えて!




おれ、おれ、ちゃんと、な、な、なおすから、




だからっ、みっちー、


そんなかっ悲しそうな顔しやんで!




おれ、わか、わかれ、たくない、」



背中がじんわりと濡れてくるのを感じて恭平くんが泣いているのだと分かる。



おれ、そんな顔してたんや...




あっけにとられて何も言えない俺をまだ怒ってると思ったのか恭平くんが言葉を紡ぐ。



恭平「おれっ、あ、あほやからっ、言うてくれな、


わからへんねんもっ、」




しゃくりあげ始めた恭平くんをみて慌てて恭平くんと向かい合う。



「きょ、恭平くんっ、落ち着いて!」



大丈夫大丈夫と唱えながら恭平くんの背中をさする。




そこでふと周りの視線に気づく。



みんな心配そうな顔で俺達をみている。





「恭平くんっ、と、とりあえずこっち!」



恭平くんの手をしっかり掴んでレッスン場から出て廊下にあるベンチに座らせる。




すこし落ち着いてきた恭平くんが、ゆっくり話出てくれた。



恭平「あんな、おれ、みっちーのことめっちゃ好きやねん。



やから、みっちーが、しんどそうな顔してるん、


みてたら、おれもしんどくなる。




おれ、みっちーにそんなかおしてほしくなくて、


でも、どうしたらええか、



わからへんくて」

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- 面白いです!! (2020年2月26日 16時) (レス) id: cccff3f14e (このIDを非表示/違反報告)
neru - リクエスト失礼します!『独り占めしたい』がすごくお気に入りなので、またドSな長尾君と、天然な恭平君のもう一回嫉妬する話が見たいです!いつでもいいので、更新してくれると嬉しいです!お願いします!! (2019年9月9日 20時) (レス) id: 78590ad528 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - メンバーにモテモテの長尾くんめっちゃかわいいです (2019年8月13日 10時) (レス) id: 1eb874e4de (このIDを非表示/違反報告)
樹れれ* - リクエスト失礼します!丈橋(青緑)、青くんが嫉妬するけれど緑くんが甘えてきて結局は甘々、みたいなお話って可能でしょうか?お風呂上がりの緑くんの髪を青くんが乾かす、というのも入れて頂けたら嬉しいです。良かったらで大丈夫です。更新頑張ってさい! (2019年8月12日 0時) (レス) id: d9fa3e456d (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - みちながで、ツンデレ道枝くんが体調が悪くて長尾君が看病していると、はじめ道枝くんはツンツンしていたけど熱が上がるにつれてしんどくなってしまい長尾くんに甘えるお話を書いてほしいです。 (2019年8月8日 21時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:住吉 | 作成日時:2019年2月6日 10時

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