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ある夏の日のこと ページ3
あの夏のことはいつでも鮮明に思い浮かぶことができる。
写真なんてものがいらないくらいに。
みんなの顔を。声を。
そして、温かさを＿＿＿＿＿
どんなに性能がいい機械にも負けないくらい、正確に思い浮かべる自信があった。
でも思い浮かべたら思い浮かべたで悲しくなってしまうから。
みんなのいない寂しさを痛感してしまうから。
完全に思い浮かぶちょっと前に思い出を蓋をする。
完全に思い出すときはきっとみんなと再会したとき。
思い出すのはみんなと一緒のほうが楽しいし。
悲しみだってみんなで背負い合えると思うから。
異世界＿＿＿
みんながいないのは寂しいけど。
それはそれで楽しもうじゃないか。
みんなと再会したときにでも話す法螺話として。
そう思いながら、首に残る傷を撫でた。
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作者名：ユア | 作成日時：2015年5月30日 23時
