9時間目 ページ12
「つぼみちゃん、折り紙しようよ」
「やらない」
「・・じゃあ、絵でも描きます・・？」
「敬語」
「あぅ・・」
「まあまあキドもそこらへんに・・」
「そうですよ・・っひぃっ・・ごっごめんなさぃ」
場所は、ある孤児院の107と書かれた部屋。
そこでは聞きなれた声が１つあった。
あの惨殺されたはずの少女の声＿＿＿＿。
「おい・・化け物の奴らは中にいんのかよ」
「ああ、そうみたいだ」
「化け物のくせに笑ってるとか、マジないんだけど」
そんな会話も聞こえてくる。
「へっ、こんくらいでちょうどいいだろ」
意地悪い顔をした少年たちは＿＿
【化け物部屋】
そう書きなぐった。
真っ白な紙に、赤いクレヨンで書きなぐった字が妙に映えていた。
「・・」
少年たちが去ったすぐ後。
・・・・・・・・・・・・・
僕らの目の前で惨死した少女がドアを開けた。
無造作に伸ばされた髪。
だるそうに少年たちが消えたほうへ目を向ける。
赤。
朱。
紅。
次の瞬間＿＿＿
「ぎゃああああああっ！！！」
・・・・・・・・・
少年たちが消えた方で悲鳴が上がった。
それを聞いて、少女はニヒルな笑みを浮かべた。
「化け物ってわかってるくせに、バカだねぇ」
【お前らもこんな体になってみろよ】
「なにしてんの、アンタ」
緑色の髪の少女がドアからのぞく。
「ううん、なんでもないよ」
【ざまあみろ】
少女が何事もなかったように笑う。
そして、緑色の髪の少女の手を取りながら、部屋に戻っていく。
黒い赤い目をした蛇が何重にも少女の体にまとわりついているのが見えた気がした。
「あの目・・」
カルマ君が映像が終わり、真っ白な空間になった後もなお、映像があった場所＿＿＿
否。
赤い少女の目が爛々と輝いていた位置を静かに見つめていた。
(まさか)
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作者名：ユア | 作成日時：2015年5月30日 23時
