[それはまだ彼らの出会う前のこと]あの子のこと ページ3
渚side
「・・どっちにしよう」
[次この成績だったら、E組行確定だ]
そう担任に告げられて、遅くまで学校に残って勉強するようになって。
帰る時間が遅くなって、今に至る。
分かれ道。
暗くて危なそうだけど近い右と、人通りが多く明るいが遠回りになってしまう左と。
「・・・・・・よし」
散々迷った結果、右の道を行くことにした。
なんせもう遅い時刻だったし、早く家に帰って勉強しなきゃいけない。
それに走っていけば、すぐに抜けられる道だったから。
そう思って、走り出そうとした瞬間、腕を誰かに引っ張られた。
「今はその道、使わないほーがいいと思うよ？」
・・・全然気づかなかった・・・
僕と同じくらいか、それよりも少し小さい小柄な女の子がそこにいた。
「今はお取込み中みたいだから」
あっち、と指をさしながらそう言われたが、全然お取込み中な声は聞こえない。
「え〜、すっごくうっさいじゃん、”俺の食事を邪魔するなっ”って」
声真似をして、一人楽しそうに話す彼女だが、言ってる会話が全然ふつうじゃない。
”俺の食事を邪魔するな”？
そんなの、ふつうに考えて道端で食事をするのなんか・・
・・・・・・・・・。ぐ・・・・る？
急激に自分の体温が何かに奪われていくような・・
そんな感覚が僕を襲った。
「大丈夫、まだあっちは気づいてないし。安心安心♪」
「いや、どこがだよ！」
能天気な彼女に思わずツッコミを入れると、彼女はまた笑った。
「やっとしゃべったねぇ、君」
じゃ行こう、家まで送ってあげる
そう手をつかまれて、半ば強制的に家まで送られた挙句、なぜかメルアドの交換までさせられた僕の一日があと一時間ほどで終わろうとしていた。
いきなり会った人間に家まで送ってもらうとか、メルアドを交換するとか、ふつうは絶対しないけど。
彼女だけはまぁいいか、と思う自分が確かにいて。
なんか今日、久しぶりに楽しかったな。
そう思って、勉強机に向かった。
その時には、もう”お取込み中”の話などすっかり忘れていた。
次の朝。
[××通りで女性の遺体が見つかりました、その場にあった複数の赫子から、どうやら喰種の仕業だと〜]
ニュースをつけて驚愕した。
”今はお取込み中みたいだから”
彼女の言葉は本当に、本当だったのだ。
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ユア(プロフ) - 祈璃さん» ありがとです・・頑張ります！受験生だケドｗ (2015年11月12日 23時) (
レス) id: e76d19f3e3 (このIDを非表示/違反報告)
祈璃 - 続きがほしいです！あと、夢主ちゃんの過去で泣けました(T_T)更新頑張ってください！！ (2015年11月11日 23時) (レス) id: 8221175353 (このIDを非表示/違反報告)
ユア(プロフ) - 円さん» がんばります！応援よろしくです〜 (2015年8月2日 0時) (レス) id: e76d19f3e3 (このIDを非表示/違反報告)
円 - 面白かったです！応援しています！ガンバレ!! (2015年8月2日 0時) (レス) id: 65ec617e66 (このIDを非表示/違反報告)
ユア(プロフ) - 猫さん» 全然平気ですお← (2015年7月14日 22時) (レス) id: e76d19f3e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユア | 作成日時：2015年5月1日 21時
