横断歩道 2 ページ26
「今日仕事...ですか？」
背後にいる隣人に少しだけ首を傾け問いかける。
『ん...それと...ちょっと』
隣人の柔らかい髪の毛が首回りに触れてくすぐったい。
ちょっと...の内容がちょっと気になったけど、深追いはしなかった。
『ソフレだとか言ってごめんね。俺...』
「はい？」
そこまえ言いかけておでこを私の首につけて言葉を詰まらせた。
『ふふ、今言いたいけど...』
「え？」
『俺にもけじめってあるから』
ぼそぼそとつぶやく隣人の声はブランケットに吸収されていくようだ。
「けじめ...？」
けじめ？シウ君の事かな...そうだとしたらもう会わないつもりなのかな？
『自分が幸せになりたいなーって久しぶりに思えたから...』
「シウ君は...？」
『...シウは...』
そこまで言うと言葉を詰まらせる隣人。
シウ君に無理にサヨナラするつもりなのかな？
会いたいときに今まで通り会っちゃいけないんだろうか。
『もう...俺がいなくても大丈夫だと思う』
語尾が小さくなる隣人の声にそのセリフとは真反対の気持ちを感じる。
「大丈夫じゃない...でしょ...？」
『俺は一生”パパ”にはもうなれないから...そろそろ見切りつけないと...』
いつか、シウ君が本当の事を知る日が来たら？
あなたの本当のお父さんはこの人じゃないのよって。
その時シウ君はどう思う？
私なら、本当の父親に会いたいと思う。
どうこうしたいとかはないだろう。
ただ、会いたい。
「もし...ジウォンさんが大丈夫って言うなら...シウ君に自分が父親だと話していいんじゃないんですか？」
『シウはそれで困らない？次の父親になる人は困らない？』
ぎゅっと私を抱く手が握りしめられるのがわかる。
背後に感じる隣人の体温...でも、手はすごく冷たいように感じる。
優しくその手を握って、回答した。
「ヒョンウォンさんは困りませんか？」
『...え？』
クロスされた長い指を私の小さい手が隣人の手を包むには少し大きさが足りないけど、その分なるべく優しく、言葉にトゲがないように。
「ヒョンウォンさんが父親だとシウ君が知らない事で困ることはありませんか？」
そう問いかければ、少し沈黙を置いて、隣人がまたぽつりと口を開く。
『困ることはないけど...少しでも愛情を持った事をわかっててほしい』
「じゃあ、やっぱりいいましょ」
『どうして』
「隠しごとは男女間だけで十分です」
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このみ - すごく面白かったです！最近モンエクペンになったのですが、もっと好きになりました！更新お疲れさまでした！これからも頑張ってください！！ (2017年11月12日 11時) (
レス) id: 0ab0aad734 (このIDを非表示/違反報告)
おん - 感動をありがとうございましたすっごく面白かったです (2017年9月25日 9時) (レス) id: 7121d0579b (このIDを非表示/違反報告)
まなな - すごく良かったです(泣)すこし自分と重なる部分あったので、共感しぱなしです！！また、違う作品楽しみにしてます(σ≧▽≦)σ (2017年9月23日 11時) (レス) id: 000918fc8e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - あおんさん» こんばんは！モンエク好きになりはじめたばかりだなんて！嬉しいです！モンエク是非もっと好きになってください（ ; ; ）私なんか好きになりすぎて妄想ヲタクになっちゃいましたから！（笑） (2017年9月23日 0時) (レス) id: 8f19cb71fd (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - めばえさん» こんばんは！嬉しいコメントありがとうございます！blue moon自体お店の名前が思いつかなくてもねくの曲から選んだんですが、結果マッチしていてよかったです☆あと、お褒めの言葉勿体無いことばかりで（ ; ; ）ありがとうございます！ (2017年9月23日 0時) (レス) id: 8f19cb71fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうな
| 作成日時：2017年7月1日 0時
