月明り 6 ページ50
『泣かないで...泣かないで...』
ぽんぽんと頭を撫でられて一気に昔の事が体から精算されるようだった。
隣人はどうしてこうも大人なんだろう。
自分の出来事もそこそこ傷ついた出来事なのに、淡々と話す。
なのに私の言葉にならない胸の奥にしまっておいた”我慢”を振り絞らせて、優しく包むんだろう。
「やっぱり、ズルいのはヒョンウォンさんですよぉ...ひっく...うっ」
嗚咽が収まらない中話すと、背中を撫でてもう話さなくていいからって言われてるようだった。
『はは...ごめん』
謝られるとなんか調子狂っちゃう。
「謝らないでください」
『うん、ごめん』
「謝らないでって言ったじゃないですか...」
『うん...ごめ...あ、ダメだ』
ごめんって何回も言う隣人。
「何か私だけすっきりしていくような変な感じです...」
『そ？』
隣人の胸から体を起こして涙を拭う。
「ヒョンウォンさんは私にすっきりさせてくれないなんて、隣人としてちょっと頼りにしなさすぎじゃないですか？」
ぐすっと鼻をならしていると、ティッシュをとって私に渡す隣人。
『俺、男だし...』
「関係ないですよ...今ドキ女も働いてナンボみたいなとこあるじゃないですか...ジウォン...あ、スヒョンさんみたいに」
『あはは、そうだね』
ティッシュまマスカラもついて少し黒くなっている。
くるくる丸めて、乾いた部分でまた涙をトントンと拭いていく。
泣いてカラカラになっていく喉を近くにあったモヒートで潤す。
「お...おかわりください...」
氷だけになったグラスを隣人に突き出すと隣人はそのまま受け取った。
『はーい...』
よいしょっと立ち上がって、隣人は自分のモヒートも飲み干してキッチンへ行った。
「酔ってる人を襲うほど人でなしじゃないんで大丈夫ですから...」
『それは俺も一緒』
ふふっと笑って私を見る。
「でも、今日は帰りたくないですから...」
別にキスの先なんて期待はしてない。
むしろ隣人のあの様子じゃ何もないだろう。
『いいよ』
「でも...」
ひとつだけ、隣人にお願いしたいことがあった。
ほんとはずっとあこがれだったのかもしれない。
「一緒に寝てください」
裸じゃなくていい。
ただ抱きしめてほしくて。
今までは裸でも背中を向け合って寝ていたから。
仕事とお酒のせいで一人にはなりたくなくて。
でも、お酒のせいで隣人と変な関係にはなりたくなくて。
ワガママだけど。
『いいよ』
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ゆうな(プロフ) - りんすさん» コメントありがとうございます。モヒート夏は特に美味しいと思います！そう言ってもらえてうれしいです☆ありがとうございます^^ (2017年6月19日 12時) (
レス) id: e46b48b223 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - まなはさん» お返事遅くなりました！ありがとうございます（涙）ちょっと前みたいに細かく更新できないんですが、読んでくださるとありがたいです！ (2017年6月19日 12時) (レス) id: e46b48b223 (このIDを非表示/違反報告)
りんす(プロフ) - これ読んだらモヒート飲み物自体にもハマってしまいました！飲み会のたびにモヒート呑んでます！モヒートヒョンウォン最強です！ありがとうございます！！ (2017年6月17日 0時) (レス) id: 6db9b5f2be (このIDを非表示/違反報告)
まなな - 1個目のコメ名前間違えました（汗）まななです！ (2017年5月1日 0時) (レス) id: 7202c62fab (このIDを非表示/違反報告)
まなは - お久しぶりです！Butler＆Ladyに続きいい作品ですね！！ほんとやばいです！続き待ってます！！ (2017年4月30日 23時) (レス) id: 7202c62fab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうな
| 作成日時：2017年3月11日 1時
