君とは違う【skt】

12.忍耐力の勝負 ページ13

彼方side


次の日。俺は教室のドアの前で、背を向けるアイツを見つけた、

そ「なにしてんの？」

一応聞いてみる

『サボる』

だと思ったよ

そ「はいダメー」

腕をつかみ、歩くのを阻止する。俺の力に勝てるわけないじゃん

そ「坂田に頼まれてんだよ、ちゃんと授業受けさせろって」

『……』

そ「ほらいくぞ」

無理やり教室の中へ入れる



う「連れてきたんすか？」

『この間のチビじゃん』

う「……ほんとにこいつと丸1日一緒に居なきゃいけないのか」

さすがに直で言うのはダメだよ、うらたくん

『こっちのセリフだ、俺だって授業受けないで卒業できるならそうしてえよ』

そ「2人とも喧嘩しない、大体は俺が見とくから」

う「お願いします、こいつと居ると体調悪くなりそうなんで」

『なら帰れよ』

そ「席座れ、隣だから」

『まじか……あ、』

何かよからぬことを思いついた様子

『ごめん、俺教科書持ってきてねえわ。怒られるの嫌だから今日はサボるわ』

そ「貸すから、逃げようとすんな」

『じゃあ頭が痛い』

そ「叩けば治るでしょ」

『テレビじゃねえんだよ』

そ「元気そうじゃん、それなら大丈夫」

『チッ……』

[キーンコーンカーンコーン]

こうして1時間目が始まった


[ガララッ]

その教科の担任が入ってくる

教師「今日の欠席も月代1人か？」

そ「先生、います」

教師「え!?」

う「授業しましょ」

教師「お、おう。そうだな……」

最初に教師を驚かせる羽目になってしまった。無理もない、この授業を出るのは初めてだったはず

そ「教科書見せてやるから、机くっつけろ」

『はあ……えっとお前名前なんだっけ？』

そ「一ノ瀬彼方」

『ああ、そうだっけ。一ノ瀬ありがと』

……お礼はちゃんと言えるのが幸いかな


授業が進み、プリント課題をする時間が設けられた。

内容は小6から中3のもので、実力テスト対策のものらしい

俺はさっさと終わらせ、チラッと隣を見る。

すると、Aが机に突っ伏していた。さっきまで普通に起きてたよな……？

そ「おい、起きろ。プリントめんどくさくてもちゃんとやれ」

『……無理』

そう言って体を起こす。その下にあったプリントは真っ白

そ「なんで無理なの？中学校のだよ」

『……なあ一ノ瀬』

そ「あ？」



『三角形の面積の公式ってなんすか』

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