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〈十数日後〉
『はぁ…暑い』
教室にて、下敷きで顔を仰ぎながら呟く。
でも、午前の授業を終えれば夏休みだ。
「そういえば、学校明日から休みだよね」
『だよね…宿題いっぱい出ないといいなぁ』
私に話しかけてくるこの子は“みーちゃん”こと榎本みちるちゃん。
現代では疎遠になっちゃってるけど、中学時代はよく一緒に居た子だ。
「花火大会、一緒に行かない?」
行きたい…だけど。
『…もう約束しちゃってるんだ、ごめん!』
「いいよ、気にしないで!」
彼女はいつでも明るくて。笑顔を見ていると凄く安心するんだ。
「だけど、今日は付き合ってよ」
珍しく真剣な顔をする
『…何に?』
「駄菓子屋にかき氷食べに行こ!」
…何だ、そんあことかぁ。真剣な表情からは想像できなくて、少し可笑しな気分になった。
『分かった。食べに行こっか!』
_____
チャイムの音に混じるセミの鳴き声。
「おっしゃぁぁ俺の時代が来た!この夏は絶対彼女作る!」
「そんなんだから一生出来ないんだよ笑」
授業をすでに終えた教室は、これから夏休みという事でガヤガヤと騒がしかった。
その教室を出た廊下がやけにひんやりとしていて、夏の匂いが漂っているように感じる。
「Aちゃんと帰るの久しぶりだなー」
強い日差しに照りつけられた一本道を歩く。
そうだねー、と曖昧な返事をした私の頬には汗が伝った。
「あ、着いた着いた!この駄菓子屋さん穴場なんだよねー」
そこには、茂みに隠れるように古そうな駄菓子屋さんが。
確かに言われてみなきゃ分からないかも…それにしても暑いので、早くかき氷を食べたい気持ちで山々だった。
「かき氷二つ下さい!私はイチゴで…Aちゃん、何味?」
『ブルーハワイで』
お金を出すと、店員さんはテキパキとかき氷を作り始めた。
_____
『わ、美味しい!こんな所見つけられるなんて凄いね』
「でしょー。彼氏出来たら、此処でデートしたいなぁ…なんて笑」
彼氏か…結局マイキーにも告白できずじまいだし。
「あ、そうそう!
この前学校の帰りにさ、Aちゃんと金髪の男の子が歩いてるの見たんだけど、彼氏?」
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ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マン3さん» コメントありがとうございます!いいお話と言っていただき嬉しいです!昼夜逆転マンさんが感想を下さるお蔭でやる気もアップしてましたので、お礼を言うのはこちらの方です(*´ω`)応援に応えられるよう、頑張ります! (2022年8月13日 10時) (レス) id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
昼夜逆転マン3 - わあー!完結おめでとうございます! 最近見れなくてすいませんでした。 本当にいいお話でした! 最後、感動しました! いいお話を作って下さりありがとうございます!これからも応援してます! (2022年8月13日 3時) (レス) @page49 id: c03225e7d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあめ(プロフ) - エリザベス女王さん» コメントありがとうございます!最高のハッピーエンドと言っていただき嬉しいです(*ノωノ)完結したものなのに最後まで読んで下さりありがとうございました! (2022年8月2日 14時) (レス) id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王 - 推しが尊い、、、!最高のハッピーエンドですねぇ!神ですか⁈神ですか。ありがとうございました! (2022年7月29日 21時) (レス) @page50 id: c75fcc9307 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マン3さん» ありがとうございます!神展開だなんて嬉しすぎます(*ノωノ)全力で書き切ります…! (2022年7月16日 9時) (レス) id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆあめ | 作成日時:2022年5月15日 21時