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殆ど会えていなかった彼が、今私の目の前にいる…。
『…久しぶり』
本当は“何でお見舞いに来てくれなかったの?”って聞きたかったけど、言葉を奥深くに押し込む。
だって、そんなことを言って、せっかく守った
「久しぶり」
彼の目は前の現代と変わっていなかった。私を“道具”として見ていたあの頃と。
これ以上マイキーを見ているとまた泣きそうな気がして、そっと背中を向けた。
『結局変わらないんだね』
お見舞いさえも来てくれない。退院の時、迎えにも来てくれない。
『中学生の君は、私が見てた夢だったの?』
…言ってしまった。
さっき止まったはずの涙がぶわぁと出てきて、視界が水たまりの波紋のように歪む。
マイキーは突如泣き出した私を、無表情の冷たい目で見ていた。
『…そんな目で見ないでよ』
そのまま、すたすたと寝室へ向かう。
このままマイキーはいつものように家を出て、もう暫くは帰ってこないのかもしれない。
___いや、そのまま私を捨てるかもしれない。
でもそれなら、私何のために未来を変えたんだろう。
『はは…もう訳わかんないや…』
私の中には、“絶望”の言葉だけ。
そして何故か笑いがこみ上げてきた…私っておかしいのかな
すると、閉ざされたはずのドアが開いた、彼が入ってきたのだ。
『…出掛けないの』
その瞬間、彼の表情が変わった。
そのまま、ベッドへ倒れ込む
「今日はお前と過ごすって決めてるから」
そして、私にそっとキスを落とした。
『…ン』
思わず声をもらすと、彼はじっと私を見てくる。
こんなのいけない筈なのに、体に当たる手が愛おしくて心地よくて、身を任せた…
_________
それから、何時間が経っただろう。
服を整えなおし、そっと横へ目をやる。
私と同様疲れ果てたマイキーが眠っていた。
「…A」
…寝言でも名前を呼んでくれたんだ、嬉しい。
『寝顔だけは、昔と変わらないね』
_____と、その時。
あの時と同じ眩暈が襲ってきたのだ
そして、いつの間にか、視界は真っ暗になった
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ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マン3さん» コメントありがとうございます!いいお話と言っていただき嬉しいです!昼夜逆転マンさんが感想を下さるお蔭でやる気もアップしてましたので、お礼を言うのはこちらの方です(*´ω`)応援に応えられるよう、頑張ります! (2022年8月13日 10時) (レス) id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
昼夜逆転マン3 - わあー!完結おめでとうございます! 最近見れなくてすいませんでした。 本当にいいお話でした! 最後、感動しました! いいお話を作って下さりありがとうございます!これからも応援してます! (2022年8月13日 3時) (レス) @page49 id: c03225e7d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあめ(プロフ) - エリザベス女王さん» コメントありがとうございます!最高のハッピーエンドと言っていただき嬉しいです(*ノωノ)完結したものなのに最後まで読んで下さりありがとうございました! (2022年8月2日 14時) (レス) id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王 - 推しが尊い、、、!最高のハッピーエンドですねぇ!神ですか⁈神ですか。ありがとうございました! (2022年7月29日 21時) (レス) @page50 id: c75fcc9307 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあめ(プロフ) - 昼夜逆転マン3さん» ありがとうございます!神展開だなんて嬉しすぎます(*ノωノ)全力で書き切ります…! (2022年7月16日 9時) (レス) id: ab55678354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆあめ | 作成日時:2022年5月15日 21時