私が君を愛すから ２【黒川イザナ】

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「本当に久しぶりだね」




あの日消えた君が、当たり前のように私の前で笑いかける。




それが、嬉しくて嬉しくて。




『うん…！イザナくん、大人になったね』




「流石にもう中三だからな。
A、中身はあんまり変わんないけど、見た目は変わった気がする」




『…そうかな？』




「うん、垢ぬけた感じ」




『え、嬉しい！確かに前よりはちょっと、見た目気にするようになったかも…』




そんな他愛もない会話をしていた時、突然涙が溢れ出してきた。




「…A、急に泣くところは昔から変わってないな」




『だって…！イザナくんが戻ってきて、それが嬉しくてっ…。私、ずっと待ってたんだから！』




「分かってるよ。俺だって、ずっと出所してAに会う事しか考えてなかったから」




イザナくんは私を抱きしめる。




小学生の時よりも安心感を与えてくれた。









『やっぱり…変わんない』




「…何が？」




『私、やっぱりイザナくんの事…好きだよ』




・・・。




言った後に、恥ずかしさがワァッと私を襲う。




『あ、ごめん…なんでもな…』
















その瞬間、優しく唇を塞がれた。




私は一瞬何が起こったか分からず、戸惑う















「Aにそんなこと言われて、俺が黙っていられるかよ」




きっと、ずっと寂しかったんだろうな。




何故だろう、会えて嬉しいはずなのに、切ない気持ちになった。




「これからは、ずっと一緒だから」




『うん…。ずっと…ね』




いつの間にか景色は夕暮れになっていた。




「良かったらでいいんだけどさ、久しぶりに俺のシセツに寄ってかないか？」




『いいよ！門限も長くなったし。鶴蝶くんと会うの久しぶり…』




「きっとアイツも喜ぶと思うから」




私の隣にいるのは、昨日まで“遠い記憶の中だった人”




だけど、これからはずっと…




一緒だからね。

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