配達のおにいさん (ページ9)

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9 松倉side ページ9

A「はーい」

そこには一番最初に見かけた時と全然ちがう

暗い顔をしたあのお姉さんだった。

松倉「980円です！」

と言うとお姉さんは急に泣き出した。

辛かったことを思い出しているかのように、

遡っていくように、お姉さんの涙は止まらない。

この時"放っておけない"って強く思った。

松倉「はいこれ。何があったかわからないけど
ちゃんと食べてゆっくり寝てね、」

そう言ってハンカチとご飯を渡して次の配達に行った。

次の日も配達場所はあのお姉さんの家だった。

ピンポーン…

松倉「860円です！」

「昨日はよく食べてぐっすり眠れた？笑」

お姉さんは俺のこと知らないのに
心配が勝ってついこんなこと…

A「はい！おかげさまで。」

「昨日は本当にありがとうございました、
なんか心が、体が？救われました！笑」

松倉「それは良かった〜笑」

「お姉さんって何歳なの？大学生？」

お姉さんに"救われた"って言って貰えて
嬉しかった。

もっとお姉さんのことが知りたい。

もっともっと、お姉さんのあの笑顔が見たい。