曖昧な関係だと思っていたのは私だけでした【五条悟】【七海建人】

第20話ー五条side 1ヶ月前ー ページ20

第20話
五条side
〜1ヶ月前〜



五条「傑〜聞いてよ〜」


夏油「なに、急に呼び出して」


五条「コーヒー奢るからぁ」


夏油「ありがたく頂くね
で…話ってAちゃんのこと？」


五条「……なんで分かんの？」



はぁ、とため息をつく僕の親友は

困ったように微笑んだ



夏油「悟、少し痩せただろう」


五条「……うん」


夏油「言ってることはいつも通り適当だけど
声に覇気がなくなっているよ」


五条「…まじ？」


夏油「そこまで悟を悩ませるのなんて
今も昔もAちゃんだけだからね

悟、何したの？謝った？」



五条「なんで僕が悪い前提なんだよ」



夏油「Aちゃんは
故意に悟を傷付けるようなことはしない」



傑も僕やAと同じサークルに入っていたから

Aのことはよく知っている

3人で飲みに行ったことも何度もある



五条「……Aが、浮気…してるかも」


夏油「…ありえないだろう、それは」



Aのことをよく知っているからこそ、
傑は目を見開いて驚いていた


でも、さすが僕の親友


僕のだんまりを見て、この話を受け入れてくれたようだ



夏油「証拠は？」



五条「Aのマンションの前で
男の車からAが降りてくるのを見た」



夏油「！

…。でも、そのまま部屋には入らなかったんだろう？その男は」



五条「まぁな」



夏油「じゃあ、そういうコトはしてないんじゃ…」



五条「それなら、逆に目を瞑れたよ」



夏油「ん？」



五条「…身体だけ、その男に奪われたんだったら
僕はここまで落ち込まない」



夏油「…」



五条「…その男と話してるA、
すげぇ幸せそうに笑ってた

全身から"愛されてます！"ってオーラ出てたんだよ

僕といる時には、見たことないオーラ」



夏油「…なるほどね」



五条「そ。僕といるよりも
そいつといる方が幸せなのかな、Aは…」



夏油「万が一そうだとしたら、
悟はどうするんだい？Aちゃんを諦めるの？」



五条「…諦めねぇよ。
Aが今、
そいつといるのが幸せだと思ってたとして

僕は、僕といるとそれ以外に幸せだとAに思わせる」



夏油「どうやって？」



五条「傑、料理教えて」



夏油「料理？笑」



五条「そう。もうすぐ付き合って1年なんだよ
手料理でも作ってやろうと思って」



夏油「ふふ、分かったよ
悟はAちゃんがいないと駄目だからね」


やれやれと笑った傑は

僕が奢るつもりだったコーヒーを奢ってくれた

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