第13話 ページ13
第13話
七海「…Aさん？」
A「…あ、はいっ。なんでしょう？」
七海「お疲れですか？何回か声を掛けたのですが…」
A「えっ…ああ、すみません…
どうされました？」
七海「…。
どちらの味にしますか？」
A「えっと、うーん…。塩味がいいです」
七海「ではそうしましょう」
今日はせっかく七海さんと映画を観に
お台場に来たのに。
あの日のことを…
初めて何もせずに悟と眠った日のことを思い出して
どうにもぼんやりしてしまう
結局悟は朝も、何かしてくることは無かった
いつも通り「おはようのちゅーして」と
駄々はこねられたけど
それ以上は何も…
私の身体にさえ、もう興味がなくなった…？
いや、だとしたら会いに来なければいい話
それにご飯だって
わざわざ作ってくれたりはしないし
おはようのキスを求めてきたりはしないよね？
じゃあそれとも…
指輪の彼女にバレて怒られた？
だけど、連絡は相変わらず
細々とだけど取っているし
怒られたなら
バレないよう
まず連絡を取ることからやめるだろう
止めどなく生まれる負の可能性を
なんとか理由を見つけて自ら否定して。
あの日から私の頭の中はその繰り返し
そして何より離れないのが
言葉では言い表せないあの日の幸福感
何もせず眠って
さっき挙げたような不安だって浮かぶのに
どうしてか、
いつもより悟を近くに感じた
悟の愛情が伝わってくるような
そんな自惚れさえ
覚えてしまうような幸福感…
席について
七海さんが買ってくれたポップコーンを口にしながら
またしても意識がそちらに向いてしまう
それに気付いた私は
誤魔化すように口を開いた
A「七海さんも、塩味でよかったですか？」
七海「ええ。私もいつもキャラメル味は選びません」
A「ふふ、七海さんぽいです」
七海「Aさんこそ、甘いものよりしょっぱいものがお好きでしょう」
A「おっしゃる通りです」
七海「貴方とは本当に
食の好みが合うので助かります」
そう…
ちょっと異常なくらい甘党で
コーヒーにぼちゃぼちゃお砂糖を入れて飲む悟と
コーヒーはブラックで
ポップコーンも塩味を好む、
私と同じ感覚を持つ七海さん
こういう細かい所からしても
七海さんの方が圧倒的に相性がいいはずで
それを誰よりも私は
分かっているし
こんな素敵な人が
そんな風に言ってくれる奇跡は
もう2度と起きないことも
ちゃんと…分かっている
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葉月 - 五条さんの作品の中で一番好きです、、。最初五条の印象あまり良くなかったのに五条サイドになった瞬間切なすぎて素晴らしすぎました。思わず涙です。いろんな作品で色んな五条さんありますがこの物語の五条さんの性格好きすぎます。素敵な作品を有難う御座います！ (2022年4月11日 0時) (
レス) @page30 id: 8ba78d6b9a (このIDを非表示/違反報告)
とみこ(プロフ) - 紅葉さん» 最後まで読んでくださりありがとうございます（ ; ; ）コメントもとても嬉しいです（ ; ; ） (2021年6月15日 17時) (レス) id: 8851a66c99 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 最終話が七海さん目線なの泣いちゃう(´；Д；`) 完結おめでとうございます！ (2021年6月14日 22時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
とみこ(プロフ) - hachiさん» いつも読んでくださりありがとうございます！そしてご指摘頂きありがとうございます（ ; ; ）ずっと暇だと思っていた上、間違った意味で覚えていました…めちゃくちゃお恥ずかしい…泣 大変助かります！本当ありがとうございます(´；ω；`) (2021年6月14日 15時) (レス) id: 8851a66c99 (このIDを非表示/違反報告)
hachi(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています！第27話なんですが「とりつく島もない」の入力ミスでは？また、謝罪や頼みを聞き入れず冷たくあしらわれることを言うので、誤用かと思います。指摘不要でしたらすみません(＞＜;)創作頑張ってください！ (2021年6月14日 11時) (レス) id: 96eaeb6d2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とみこ | 作成日時：2021年1月22日 0時
