勝利くんと。 (ページ15)

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アルコールページ15

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「ちょっと…勝利くん？」

金曜日の夜遅く。

家族は皆外出していて、家に一人。
本当は勝利くんに会いたいけれど。

忙しい彼。
仕事中かもしれないし、
電話なんて出来なくて。

寂しいなぁ。
一人ぼっちの部屋に腰を下ろす。と。

「……これ、勝利くんのかな」

座り込んだベッドの前。

机の下に目をやればみえる影は帽子のようで。
勝利くんのお気に入りのやつ。

ないと困るんじゃ？なんて思っちゃったら、勝利くんの家に向かったのは無意識。

最近貰った合鍵を持って。

置いて帰るだけ、
と言い聞かせて扉を開ける。と。

『A……』

不意に呼ばれた私の名前。

まさか勝利くん、家にいるの？

淡い期待を込めて、来ちゃった、なんて言いながら足を踏み入れようと靴を脱ぐけど。

「どうした……」

いう途中で抱きしめられて。

振り向こうと体を捻ると塞がれる唇。
一瞬離れた合間に鼻をくすぐるお酒の香り……。

至近距離で合わされた目はとろけていて。

もしかして、勝利くん酔ってる？

そう思ったらちょっと悪戯してみたくなっちゃうのは、女の子だもん、しょうがないでしょ？

限界ギリギリ。押し倒されないのが不思議なくらい余裕のなさそうな彼。きっと私の為に我慢してる。

だけどそんな理性を崩壊させてみたくて。

唇の端をぺろりと舐めて、
俯く彼の首に手を回す。

そのまま耐えるように
眉を寄せる彼に口付けた。

逃げようとする彼の唇を追いかけて、
深く深く口付ける。

自分がリードしている感覚に酔いしれて、
蕩けて。

そのまま、またキスを堕とそうとするけれど。

『あのさ……俺、今酔ってるの。何するかわかんないよ？』

それを途中で遮られたかと思ったら。

ぐらり。揺れる視界。
次の瞬間には、手を絡めて押し倒される。
覗きんこんだ瞳は黒く濡れていて。

『あーもう。煽ったのそっちだから』

至近距離で感じるお酒の香り。

ほら、今夜は酔に任せて。

『嫌って言っても、逃がしてあげない』

「ふふ……うん」

深く深く、私に溺れて。

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