敵わない【ダイヤのA】《小湊亮介》

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沢「朝練終わったー!!」


沢村が吠えてる。

犬みたい。


『沢村くん、早く朝ごはん食べな』


母親みたいなA。

野球部の母。


「俺の彼女なのに」


春「兄貴？」


「春市いまの聞いてた？」


春「？全然」


『あ、亮介と春市くんはちゃんとトマト食べてね』


残すつもりだったのに言われてしまった。


「…Aにあげるよ」


『自分で食べなさい』


2人のときはあんなに可愛く甘えてくるのに。

部活ではいつもこんな感じ。


『ほら、みんな早く食べなよー。
遅刻してもしらないからねー』


寮母さんの手伝いをしながら呼びかける。

みんな食べるスピードが速くなる。

あ、沢村が喉につまらせてる。


春「栄純くん急ぎすぎ」


春市が水を飲ませる。


沢「はるっちサンキュ!!」


『沢村くん、急ぐのはいいけどちゃんと噛んでね』


沢「ハイ」


『ただ飲み込むだけとかダメだから』


沢「以後気をつけます…」


なんだかんだで、部活で1番強いかもしれない。

だって…


『増子くん、プリンの食べ過ぎはよくないよ』


増「ウガ…」


増子がプリン食べてるときのこと。


『結城くんってほんと将棋弱いよね』


結「Aはなかなか手強いな」


『いやいや、私ずっと勝ってるから』


哲とAが将棋をしているとき。


『少女マンガとか…
乙女だねぇ、伊佐敷くん』


伊「うるせっ!!」


純が少女マンガを読んでるとき。


『また私の勝ち〜』


倉「Aさんゲーム得意なんすか？」


『格ゲーはまぁ好きだよ』


倉持とゲームをやってるとき。


…あぁ、“ある意味”強いんだ。

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