秘密38 ページ42
ピー
無機質な機械音が廊下に鳴り響いた。
手術中と赤く光っていた電子掲示板が暗くなる。
「Aっ…」
彼女の名を呼びながら勢いよく立ち上がる松田。
それに釣られるように降谷と諸伏も立ち上がる。
手術室のドアが開き、ストレッチャーに乗せられたAが医師や看護師によって運ばれてきた。
「先生、彼女は?」
Aを見つめたまま動けない松田の代わりに諸伏が医師に問いかける。
「手術は成功しました。
しかし、目を覚ますまでに時間がかかると,思います。
それに、目を覚ました時に記憶がはっきりしているかどうかの保証が出来ません」
成功という言葉に胸を撫で下ろす3人だったが、記憶がないかもしれないという言葉に緊張が走った。
「ありがとうございました」
医師に礼を言い、頭を下げた諸伏。
それに釣られるように頭を下げた降谷。
尚も呆然とAを見つめたまま立ち尽くす松田。
看護師らによって病室に運ばれていくAに3人がついていった。
「松田、僕たちはそろそろ警察庁に戻らなければならないが、お前はどうする?」
Aが病室に運ばれて数時間後、メールを確認した降谷がそう問いかける。
「俺はここにいる」
迷う事なく、Aの左手を両手で包み込むように握ったまま松田が答える。
そんな松田に降谷と諸伏は目を合わせて少し笑った。
「わかった、また来る」
「何かあったら連絡してね」
「あぁ、」
降谷と諸伏が病室を出て行った。
「A…早く起きろよ…
もうすぐ…日が変わるぞ…」
2人きりの病室で、松田はそう呟くと、Aの左手を強く握りしめて、ベッドに頭を乗せて目を閉じた。
832人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yuan_hina(プロフ) - solaさん» ありがとうございます!私本当は笑える系好きなんですよ()これからも頑張ります! (2022年6月5日 22時) (レス) id: 97066f6968 (このIDを非表示/違反報告)
sola(プロフ) - 27の"と思っていた()"でめっちゃ笑いましたwこれからも更新頑張ってください! (2022年6月5日 22時) (レス) @page31 id: f1728775b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:yuan | 作成日時:2022年5月21日 22時