秘密37 ページ41
「早く!早く救急車を!」
諸伏がそう叫ぶと慌てて気を取り直した一ノ瀬が携帯を取り出し救急車を呼ぶ。
「A!Aしっかり!」
諸伏がAの肩を支えるように抱きかかえている。
降谷によってspirit breaker'sのメンバーはパトカーにぶち込まれ、警察庁へと連行された。
数分後、救急車が到着し、Aが運び込まれる。
それに諸伏が付き添い、病院まで同行した。
米花中央病院に搬入され、緊急手術が始まる。
そこに諸伏から連絡を受けた降谷が到着する。
「ゼロ、松田に連絡は?」
「あぁ、今してきた」
_______
『あぁ?ゼロか、どーした?』
『すまない、松田。Aが…撃たれた…』
『あ“あ“!?今どこにいる』
『米花中央病院に運ばれて今は手術中だ。
ヒロが付いてる』
『今から行く』
松田の自宅からここまでは約20分。
降谷は電話を切り手術室に直行。
その時間約5分。
しかし、降谷が到着してわずか10分後、松田が肩で息をしながらやってきた。
「Aは!?」
「まだだよ、松田」
諸伏が答えると松田が崩れるように長椅子に座った。
「僕がついていながら、本当にすまない」
「俺も、ごめん、庇えなくて」
「んなことしたらAが怒るだろーが」
そう言った松田の声は震えていた。
「A…」
ぼそっと呟いた彼女の名前。
松田がAを想う気持ちが、その存在がどれだけ大切なのか、そのたった一言で同期2人には十分過ぎるほど、痛過ぎるほど、伝わったのだった。
松田が自身の両手をぎゅっと握りしめる。
爪が食い込んでいて、血が出てきそうだった。
それに気付いた降谷が止める。
「やめろ、松田、」
諸伏もそれに気付き、松田に声を掛ける。
「Aが起きた時、松田の手が血だらけだったらきっと泣き出すよ」
「大事な彼女を泣かせるなんて、そんな酷いことだけはしないでくれよ」
諸伏の隣でそう付け足す降谷。
2人の言葉を聞いて、握っていた拳を弱めて離す。
「Aは…きっと大丈夫だと、俺はそう信じる。
信じて…待つ。」
そう言った松田に同期達が笑いかける。
「「あぁ、それでいい」」
“松田らしくて”
832人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yuan_hina(プロフ) - solaさん» ありがとうございます!私本当は笑える系好きなんですよ()これからも頑張ります! (2022年6月5日 22時) (レス) id: 97066f6968 (このIDを非表示/違反報告)
sola(プロフ) - 27の"と思っていた()"でめっちゃ笑いましたwこれからも更新頑張ってください! (2022年6月5日 22時) (レス) @page31 id: f1728775b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:yuan | 作成日時:2022年5月21日 22時