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秘密29 ページ33

そんなAを焦ったような声色で制止する松田。




「ちょ、待て、今こっちみんな」
「え、何で〜」
「…余裕ない」




ぼそっと言った松田に顔を赤くしながら言うA。




「そっか…いつも陣平くんばっか余裕な気がしてたけど…私だけじゃなかったんだ」



そう笑ったAに先ほどより深く唇を重ねる松田。
段々と深くなり、角度も変えてくる松田に必死についていこうとするA。
しかし、息苦しくなって松田の胸板を叩くと、やっと離れた唇。
火照ったままの顔で松田の方を見上げるA。
松田より一回り以上身長の低いAは必然的に上目遣いになる。




「…まっじで余裕ない…」
「え??」



そして、熱を帯びた瞳でAを見つめる松田。




「Aのことはもっと大事にしたい。だから、順序を正しく、ゆっくり踏んでいきたいんだ」
「うん…?」
「だからあんま煽んなよな」
「え?」




松田の言葉に意味が分からないAだったが、赤くなったその頬を見て、思わずにやけたのだった。

その時、丁度降谷から返信が来た。



【構わない。幸せに】



その直後、諸伏からも返信が届く。



【もちろん!A、松田のことよろしくね】



2人のメッセージに思わず笑顔になるA。
その満面の笑みを浮かべたまま、松田の胸に飛び込んだ。
そんなAを難なく受け止めた松田がどうかしたのかと問う。




「陣平くん、陣平くん!先輩が一緒に住んでもいいって!」




松田にこれでもかと言うほど、顔を近付けてそういったAを松田が抱き締める。



「そうか、じゃあ早いうちに下見にでも行こうな」




そう言った松田にAが子供っぽさの残る笑顔を浮かべてうん!と頷いた。



「…今怖いくらい幸せだよ」



聞いたことのないほど弱々しい声でそう呟き、Aの首元に顔を埋める松田。
そんな松田を優しく抱きしめ、天然パーマの髪をさらさらと撫でる。



「もう離さないって言ったじゃん」
「…はは、そうだよな」



Aの言葉に同調するように笑った松田。
そのままAの腰に腕を回し、ぎゅっと強く抱き締めた松田。





「…大好きだよ、陣平くん」
「…俺は愛してるぜ、A」





2人はそう言って笑いあった。
この部屋に幸せな空間が広がる。
これから始まるであろう新しい同棲生活にも胸を躍らせる2人であった。

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yuan_hina(プロフ) - solaさん» ありがとうございます!私本当は笑える系好きなんですよ()これからも頑張ります! (2022年6月5日 22時) (レス) id: 97066f6968 (このIDを非表示/違反報告)
sola(プロフ) - 27の"と思っていた()"でめっちゃ笑いましたwこれからも更新頑張ってください! (2022年6月5日 22時) (レス) @page31 id: f1728775b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yuan | 作成日時:2022年5月21日 22時

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