秘密21 ページ24
Aが出ていった後、病室では同期たちの会話が繰り広げられていた。
「何だ、いい感じじゃないか」
「本当。一時はどうなることかと思ったけど」
降谷と諸伏が目元を分かりやすく緩ませながらそう言った。
「可愛い彼女がいていーね、陣平ちゃん」
「もう復縁したのか、松田。早いな、笑」
揶揄うように言った萩原に微笑ましそうに言った伊達。
そんな4人に対し、松田は居心地の悪そうに視線を逸らして言う。
「…Aとは付き合ってねーよ」
「「「「………………はぁ!?」」」」
少しの沈黙の後、同期たちの声が揃った。
4人が考えていることは同じだ。
(あれはもう付き合ってるだろ)
「…確かに、昨日はいい感じだったけどよ…」
昨日、この病室でAとして過ごしたことを思い出して頬が緩んだ松田。
だが、それもすぐにいつもの表情に戻った。
「…正確に好きとか、もう一回付き合おうとかはなかったからよ」
そんな松田に同期たちは盛大にため息を吐いた。
「何やってるんだよ、松田」
「そーゆーのは男から言うもんだろ」
「陣平ちゃーん、それでいいの〜?」
「ちゃんと言葉にしないと伝わんないよ」
同期たちに散々言われて不貞腐れる松田だったが、最後の諸伏の言葉には何も言い返せなかった。
_言葉は要らない。
昨日は確かにそう思った。
だがそれも…伝えなければいけない想いから逃げただけだったのかも知れない。
次の約束なんてしていなかったけれど、
次こそは伝えよう…と心に決めた松田であった。
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yuan_hina(プロフ) - solaさん» ありがとうございます!私本当は笑える系好きなんですよ()これからも頑張ります! (2022年6月5日 22時) (レス) id: 97066f6968 (このIDを非表示/違反報告)
sola(プロフ) - 27の"と思っていた()"でめっちゃ笑いましたwこれからも更新頑張ってください! (2022年6月5日 22時) (レス) @page31 id: f1728775b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yuan | 作成日時:2022年5月21日 22時