検索窓
今日:4 hit、昨日:79 hit、合計:174,721 hit

秘密 8 ページ11

「はいはい、で何で振られたの?」
「…他に好きな奴ができたってよ」




投げやりに口にした松田に耳を疑った降谷と諸伏。
2人は、てっきりAが何かしら事情を説明して別れるのかと想像していたので、驚きを隠しきれなかった。




「はぁ…いい歳してだせぇよな、」




松田が腕を組み、そこに自身の顔を埋める。
その肩を片手で抱く萩原。




「…その志乃さんに、会ってみたいな」




諸伏がそう口にすれば、顔を上げることなく松田が言う。




「…だめだ、志乃は多分お前の顔がタイプだからよ」





それに驚き、「そんなことないんじゃない」と言う諸伏。
そういえば、Aが以前に「幼馴染の萩原さんですら直接紹介してくれない!」と嘆いていたような気がする。





「寂しい思いをするのももう少しなんじゃないか?」
「はぁ?」





降谷がそう言うと、松田は顔をあげ、少し腫れている瞳で降谷を睨んだ。
諸伏は、降谷がこれからしようとすることを想像して、不謹慎だとは思いつつも口角を上げた。





「…さてと、陣平ちゃんの初失恋を祝して、ぱーっと呑もうぜ、ぱーっと」
「…うっせぇ、初じゃねぇし」
「え〜?だって姉ちゃんの時は自然に気持ちが消えただけじゃん」
「んまぁ確かに…」




悔しそうにする松田の顔はどことなくまだ暗かったが少しだけ、ほんの少しだけ、いつもの顔に戻っているような気がした。




「…志乃…逢いてぇよ…」





そんなことを小声で呟いているなんて知らず、同期たちは徐々に酒に酔い始めていた。

秘密9→←秘密7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (174 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
832人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

yuan_hina(プロフ) - solaさん» ありがとうございます!私本当は笑える系好きなんですよ()これからも頑張ります! (2022年6月5日 22時) (レス) id: 97066f6968 (このIDを非表示/違反報告)
sola(プロフ) - 27の"と思っていた()"でめっちゃ笑いましたwこれからも更新頑張ってください! (2022年6月5日 22時) (レス) @page31 id: f1728775b5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:yuan | 作成日時:2022年5月21日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。