返事はまだ来ない ページ34
---16年目---
「………うんうん、鶴さんもだいぶ仕事に慣れてきたね」
「ははっ、上手くなったもんだろう?」
あの日から一年、
光坊のカフェで働くことにも慣れてきて、
だけど、
「なあ光坊。今日は何と書こうか」
ただ、以前と違うのは、
「彼女がいたことの証明のために書いている」とでも言うのだろうか。
少なくとも、以前までと違うのは確かだった。
俺があの仕事を辞めた影響は凄かったらしく、
テレビだのツイ●ターだの、ありとあらゆるメディアに嵐が起こった。
あるところでは『事件が起きた!?』だの、
またあるところでは『実は亡くなった!?』だの、
とにかくまあ、見ていて呆れる程たくさんの噂が飛び交っていた。
(………俺は、ここに生きているというのになあ)
しかし、人の噂も七十五日と言うぐらいだ。
しばらくすると、そんなこともなくなった。
ピロリンッ♩
「………お、伽羅坊がもうすぐ帰ってくるらしいぞ」
手元のすまほを見れば、『帰る』と一言だけ打たれた伽羅坊の言葉。
何気ない日常が、嫌に心地よかった。
(きみがいなくても、日々は過ぎ去ってしまう)
けど、
俺のきみへの愛が消えることはずっとないから
きみへの愛を、今日も俺は届ける
返事はまだ来ないけれど、
きっと。
______カラン
「………あ、いらっしゃいませ!!………鶴さん、お客さん来たよ」
「………おっと、行ってくるぜ。光坊!!」
「______はい、ご注文は何でしょうか?」
いつかくる返事を信じて。
ラッキーアイテム
燭「赤いリップだよ。格好良く決めたいよね!」
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笑羽 - 梅歌さん» コメントありがとうございます!!ログインできました(*^_^*)更新頑張りますよ〜 (2020年5月8日 15時) (レス) id: 0e96abb413 (このIDを非表示/違反報告)
梅歌(プロフ) - こんにちはっ!これはあの曲ですな(名前出さないけど)!ログインできました?更新頑張ってください( ˙-˙ )! (2020年5月8日 13時) (レス) id: 5c54cadbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:笑羽 | 作成日時:2020年2月16日 18時