15年目の憂鬱と一欠片の希望 ページ26
---15年目---
光忠side
「伽羅ちゃん!!鶴さんがいないよ!!」
「………は?」
目が覚めて、いつもより静かな気はした。
嫌な予感も少し感じた。
だけど、
(こんなこと、普通考えないよ………)
「………だが、俺は起きてから一度も鶴丸を見ていないぞ」
「え、嘘でしょ?」
どうしようと焦っていると、
「電話をかけたら出るんじゃないか?鶴丸のことだ。どうせそこら辺でもうろついているんだろう」
「あ、そっか。電話があったね!えーと、………」
急いで電話をかけた。
♩〜♪♫〜♩〜
「………あれ?」
やけに近くで音が聞こえると思った。
それもそうだろう。
鶴さんのスマホは、家に置かれたままだったから。
「「………」」
「………これ、電話しても意味ないよ………」
途方に暮れるも、またあることを思い出した。
「もしかしたら鶴さん、沙織さんのところにいるのかも!沙織さんに聞いてみよう」
今度こそと、沙織さんに電話をかける。
♩〜♪♫〜♩〜
『………はい、榊田です』
「あ、沙織さん!?僕だよ、光忠だよ!!」
『あれ、光忠さん?どうかしましたか?凄く焦っているようですけど…』
「実は………鶴さんが朝起きたらいなくて………伽羅ちゃんも見ていないって言うんだ。
もしかしたら沙織さんのところにいないかなって思ったんだけど………」
『………いえ、私も鶴丸さんは見ていませんね』
「え………」
今度こそと思ったけど、望みは消えた。
「………そうですか」
暗い声が出てくる。
伽羅ちゃんも、心なしかいつもより顔が険しい。
『………探しましょうか?』
「………え」
ふと、沙織さんがそう言った。
『あまり大したことはできませんが………鶴丸さんを見つけたらすぐに連絡します』
そう言って、電話を切った。
「………ありがとうございます。沙織さん」
聞こえるはずのないお礼を、僕はそっと言った。
「………よし、伽羅ちゃん!!僕たちも鶴さんを探すよ!!」
「ああ………だが、光忠。お前は仕事があるだろう。俺一人で………」
「いや、今日はお店お休みにしよう!!鶴さんの行方の方が大事だ!!」
確実なものはひとつもないけど、
少しだけ希望が見えてきた気がする。
(絶対、見つけるからね!鶴さん!!)
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燭「赤いリップだよ。格好良く決めたいよね!」
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笑羽 - 梅歌さん» コメントありがとうございます!!ログインできました(*^_^*)更新頑張りますよ〜 (2020年5月8日 15時) (レス) id: 0e96abb413 (このIDを非表示/違反報告)
梅歌(プロフ) - こんにちはっ!これはあの曲ですな(名前出さないけど)!ログインできました?更新頑張ってください( ˙-˙ )! (2020年5月8日 13時) (レス) id: 5c54cadbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:笑羽 | 作成日時:2020年2月16日 18時