10年目も11年目も〜何故思い出す〜 ページ21
鶴丸side
---10年目---
俺は、「鶴丸国永」………と言うらしい。
沙織さんという人から聞いたのだが、俺は事故に遭い記憶を失ったそうだ。
たしかに、俺は自分の名前すら覚えていなかった。
目の前にいる光忠さんも、以前はとても仲が良かったらしいが、俺は知らなかった。
______だけど、
「………なぜ、俺はあの子にこのようなものを書いているんだ?」
今もこうやって、
俺は彼女にむけて書いている。
理由なんて分からなくて、
ただ『好き』ということしか分からなくて。
(どうして、返事が来ないのに俺は書いているんだ?)
少なくとも、今の俺には分からなかった。
______________________________________________
---11年目---
少し、分かってきたかもしれない。
今日から、あの光忠さんの元で暮らすことになった。
光忠さんは小さなカフェを経営しているそうで、早速ご馳走になった。
どの料理も美味しかったが、
特に光忠さんの入れてくれたコーヒーが何よりも美味かった。
どこか懐かしく、温かく、少し苦い味が心に染みるようだった。
その感想を言うと、光忠さんは何故かひどく悲しそうな顔をしていた気がする。
光忠さんは、「大倶利伽羅」という男と暮らしていた。
彼は、病院にいる時に何度か見た記憶がある。
最初は怖そうと思ったが、普通に良い奴だった←
そうやって過ごしていくうちに、
以前の自分がどんな奴だったか思い出せたような気がした。
光忠さん曰く、俺は「呆れる程驚きが好きで、いつも皆を驚かせてばかり」
だけど、
「皆が嫌がるようなことはしない」
………らしい。
今の俺には実感がないが、きっとあの光忠さんが言うのならそうなんだろう。
そして、もう一つ分かったかもしれないこと。
「何故、俺はあの子にずっと『ぽえむ』を書いているのか?」
返事が来ない。
だからこそ、
一度でいいから返事がほしい。
好きだから。
(………もしかしたら、俺が驚きが好きだったらしいから、書いているのかもしれないな)
記憶を失ったけど、この人たちと一緒ならばそれで良い気がした。
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笑羽 - 梅歌さん» コメントありがとうございます!!ログインできました(*^_^*)更新頑張りますよ〜 (2020年5月8日 15時) (レス) id: 0e96abb413 (このIDを非表示/違反報告)
梅歌(プロフ) - こんにちはっ!これはあの曲ですな(名前出さないけど)!ログインできました?更新頑張ってください( ˙-˙ )! (2020年5月8日 13時) (レス) id: 5c54cadbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:笑羽 | 作成日時:2020年2月16日 18時