また違う味 2【Fuma.Ｋ】

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彼を見かけた日から2週間が経った




私はあの日から
仕事のペースもあがり､上の方から褒められる事が増えた。


これでよかったんだ。
彼の事を忘れるのが1番いい薬





.







今日は
会社から少し離れた駅で、新しい企業との打ち合わせ




先方はとってもいい人で
スムーズに打ち合わせが進んだ。
そのため、健人さんも私も機嫌がよかった。




あ「意外と早く終わりましたね」

健「ほんと、それ。」

先方先から少し歩いて、駅につく

健「あ。今日､花火大会なんだ〜」
駅の掲示板を見ながら、のほほん とした声で話す



あ「ここら辺ですか？」

健「ううん、俺の家の近く」

あ「え？」
掲示板に貼ってある、ポスターを見ると
花火の打ち上げ場所は、ここじゃなさそう……

健「あ、俺の家？次の次の駅が最寄り」

あ「でも、なんでポスターがここに？」

健「あー。一応、地域が近いから宣伝で貼ってあるらしいよ。人、まぁまぁいるし」

あ「へー、地域活性化みたいな感じですか〜」


健「そうそう。って、花火！見にいこうよ！」
急に大声を出して、子供みたいに足をバタバタする

健「今年、１回も花火みてないの！お願いします！」
私から1歩下がって、綺麗に90°お辞儀をする。
足が長いから、とてつもなく目立つ。


あ「ちょ､ちょっと！頭上げてください！行きますから！」
急なことで焦ったけど、健人さんの花火がみたいオーラに負けた。


健「よっしゃー！ありがとう！」
キラキラした目で笑う


そんなに花火行きたかったんだ
と改めて健人さんの笑顔をみて、私も笑った






でも
今日の私は浮かれすぎたのかな？






.








コンビニで買った、お酒とおつまみを片手に花火をみることにした。


健「一応、浜辺でみるのが恒例なんだよね〜」
浜辺にはたくさんの人

はぐれないようにって
健人さんと手を繋いだ






でもそれは、





ドキドキではなく、安心だった。








健「ここが一応、ベスポジ」
私と健人さんは別で貰ったコンビニ袋を広げて、その上に座った。


健「あははは 笑 俺ら､金ない大学生みたい 笑」


あ「確かに 笑 まぁ、たまぁにはいいですね」




なんて、話してたら
大きく花火が
ドーンッと上がった。



次々、上がる花火。




そして、花火があがる度









彼と最後に過ごした時間がフラッシュバックした






油断してた。
彼と過ごした最後の日









私は花火を見に行ったんだ。

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