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…この状況を理解するのに、少し時間がかかった。
もしかしたら夢なんじゃないかって、
まだ寝てるんじゃないかって。
そう思っても、今見えている景色は本物で。
声を発するのにも、時間がかかった。
『さ、くらいさっ』
言い切る前に、引き寄せられて、
櫻井さんの腕が、私の背中に回された。
櫻井さんの心臓の音が、間近に聞こえる。
櫻井「…俺は、お前が好きなんだよ……」
寝起きの体に感じる体温は、
あったかくて、どこが優しい。
絞り出すように言った櫻井さんの言葉が、
体の中に溶け込んでいく。
『…ど、どうして…？』
櫻井「…じゃあ、会って間もない後輩にいきなり
“彼女演じてくれ”なんて普通言わねぇだろ？」
『そ、そうですけど…』
櫻井「…お前、最低…」
『…え？』
そう、耳元に聞こえてきた。
『“最低”って、なにが、ですか…？』
櫻井「俺を好きにさせたこと」
一瞬にしてカラダが熱くなった。
そんな甘い言葉、聞いたことがない。
いつもの櫻井さんとのギャップに、頭が追いつかない。
でも、なぜが嬉しかったり。
そう思ってしまうのはどうしてだろう…？
櫻井「なぁ」
『、はい』
櫻井「お前はどうなの？」
『…え、』
櫻井「俺のこと、どう思ってんの？」
抱きしめられたままの体勢で聞かれた。
その問いにパッと浮かんだ答えを、そのまま口にするべきなの？
そんな自問自答をしてみたり。
思い返せば、櫻井さんにはいろいろお世話になった。
私の歓迎会なのにお酒1杯でダウンしちゃって、
家に泊まらせてもらって。
普段は意地悪なことをいってくるけど、
本当は優しい人だって知ってる。
最初櫻井さんの本当の顔を知ったときは幻滅したけど、
今は全くもってその感情はない。
むしろ、逆かもしれない。
気づけば、櫻井さんの背中に腕を回していた。
櫻井「俺のこと好き？」
その言葉に対しての答えは、心の中で決まっていた。
『…好きです』
私はそう呟いた。
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ひなの(プロフ) - ゆかりさん» 私も大好きです!作品内ではドSだけど実は優しい？みたいな感じに書いてます。これからもよろしくお願いします。 (2017年7月31日 22時) (
レス) id: 993c6414bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - しようちやんも大好きだよ (2017年7月31日 22時) (レス) id: 008d99490d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひなの | 作成日時：2017年7月31日 1時
