Citrine 【日向翔陽】 (ページ2)

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日向くんとの通話は、週に2～3回程度。いつも夕方の夜ご飯の時間帯で、かけるのは毎回私の方から。

1時間とかそんな長電話じゃないけど、多くて30分くらい。話す内容も最近あった事とか世間話だけ。たまに日向くんがバレーについて熱弁するぐらい。

でもそれも嫌じゃなくて、むしろ好き。それよりも私は学生の時から好きな事にがーってなってる日向くんが好きだったりしてたし。

日向くんとは高校が同じで、当時もそこそこ仲の良い関係だった。やっぱり3年間同じクラスってのが大きかったのかな。あとは共通の友達がいたから？

学生時代の恋心とか、当時はすぐ消えるもんだよねとか生半可な気持ちでいた。学校という、言ってしまえば狭い世界で好意を寄せた異性なんてそこでの事にしかすぎないのだし。大人になってもっと広い社会を知ればもっといい人に出会えるよねって。

実際所謂好きだった男の子はいた。
それなりに好きで、努力したりもしてた。
思春期だし、そういう話を周りと広げるにも。

でもその男の子が今も好きだなんて、
そんなの思ってもなくて自分自身で驚いている。

「案外私一途なのかな…」

大人になってから、彼と電話をし合う関係に発展させた。大阪にお互い住んでる事が分かって、それにちょっと期待した。思い立ったらすぐ行動！とかどっかで聞いた事あるようなセリフを頭で繰り返して、友達から連絡先を教えてもらって早速電話をかけたのが最初だ。

それまで日向くんの連絡先さえも知らなかった事に、当時の自分の奥手さを痛感した。だからこそ、発展させたいなとか淡い思いを抱いたのかも。

実際、繋がった電話は楽しいものだった。
最悪私のこと忘れてたりしてない？急に知らない番号からかかってきて普通でないよね？あれそうじゃん。とか変な事ばっか考えてたのも全部吹っ飛ぶくらい。

久しぶり〜から始まって案外当時のように日向くんが接してくれるものだから、その事実に少し浮ついて、「たまに電話したりしてもいい？」とか聞いたんだよね。

すぐに撤回の言葉を出そうとしたけど、それも口に出す前にスマホ越しから肯定の声が聞こえちゃって。

凄い慌てたし、こんなのでも心臓バクバクで
よほど恋愛経験がないだなって落ち込んだ。

その夜は、あんまり寝れなかったのを覚えてる。

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