*紅丸side ページ7
最近Aはハマってる歌があるらしい。
掃き掃除をしている時や洗濯物を干している時に同じ歌を口ずさんでいる。
今日も見回りから帰ってくると、詰所の庭を掃きながら楽しそうに歌っているようだった。
戸の陰に隠れそっと耳を澄ませる、、、。
『〜♪温もりに包まれ只〜♪炎が立つ導の方へ、、、、、、』
歌が聞こえなくなったと思うと双子が話しかけているのが見えた。
、、、顔を真っ赤にしているあいつと一緒に。
「、、、もう一回り行ってくるかー。」
誰に言うでもなく独り言ちた。
*☼*―――――*☼*―――――
「なんだぁ?紅。詰所に戻ったんじゃねぇのか?Aちゃんと喧嘩でもしたかー?笑」
「昼間っから飲みにでも行く気か?それなら誘ってくれよ!」
町に戻れば色んなところから声が掛かる。
「うるせぇ、俺が何しようが俺の勝手だろ」
無愛想な返事をしている自覚はあるがここにいるやつらは気にしない。気持ちのいいヤツらが集まっている。それが浅草という町だ。
2度目の見回りを終わろうとして詰所の方に足を向けると聞きなれた歌が聞こえてきた。
「〜♪炎が立つ導の方へ〜♪」
「あぁ?これあいつが歌ってたやつか?おい、お前その歌、、、」
「やあ、紅ちゃん。この歌がどうしたんだ?」
「いや。最近よく聞いててな」
「珍しいな!これはテレビでやってる××××のCMの歌だぞ!頭に残る歌だからつい歌っちまうんだよな笑」
「(なるほどな。あいつ、テレビよく見てるから。そりゃあ、頭に残るわな、、、。)」
*☼*―――――*☼*―――――
「紺炉ー。見回り行ってくる。」
「おお、若。俺も外に用があるんで一緒に出ますよ。」
「最近肌寒くなってきやしたね。この辺の木々も紅く色づいてきてやがる。来週辺りにでも、嬢ちゃんや双子を紅葉狩りに連れてってやるかい?」
「あぁ、それもいいな。」
そう話している間にも吹き抜ける風は冷たさを増し、木々を揺らして紅い葉を降らせる。
Aは紅葉が好きだったはず。去年、紅い景色の中で双子にも負けないほどはしゃぎ回っていたあいつが頭に浮かぶ。
「〜♪歩き慣れてきた日々も淘汰〜♪夢は安泰な暮らしだが〜♪」
「珍しいな。若が歌うなんて。」
「、、、、、、あぁ、つい。(あいつが笑って歌ってるのが)頭に残っててな。笑」
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ゆい(プロフ) - テッドさん» ありがとうございます!愛情は詰め込んでますので(笑) (2021年3月27日 0時) (レス) id: 33e2778341 (このIDを非表示/違反報告)
テッド(プロフ) - イラスト紅ちゃんはカッコいいしヒカヒナはかわいいです! (2021年3月21日 13時) (レス) id: b768cf99ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - アイスさん» そう言って貰えると嬉しいです!!技術は無いですが愛情は詰め込みました笑。 (2020年10月17日 19時) (レス) id: 33e2778341 (このIDを非表示/違反報告)
アイス - 絵上手いね。羨ましぃぃ!! (2020年10月17日 8時) (レス) id: 617ca4b157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆい | 作成日時:2020年10月13日 18時