＊ 元気、あげます。 ページ14
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「こんばんは」
『あっ北くん、いらっしゃい』
北くんと付き合って数ヶ月。
バイトを辞めた今でも 北くんは週に一度、閉店後にこの店にやってくる。
北くんの分も合わせて夕飯を準備していたわたしは、テーブルの上に出来上がったおかずを並べていく。
今日は北くんが好きだと言っていた豆腐ハンバーグ。
「俺が好きやって言ってたん、覚えとったんですか」
『当たり前じゃん？…でもその前に』
北くんの胸の辺りにぎゅっと抱きつくと びくっとして固まる大きな身体。
「あ、あの」
『北くんチャージさせて』
北くんのおかげもあってか、試験には無事合格し 調理師免許をとることが出来た。
次は栄養士の資格が欲しくて 再び勉強中。きちんと食事も摂っているし、夜もちゃんと寝てる。
でもやっぱり、ここで仕事をしながら勉強続き というのは、少し参ってしまうこともあって。
ぐりぐり胸元に顔を押し付ければ ふわりと鼻をかすめる柔軟剤の香り。ぎこちなそうに回された腕が安心する。
「…もう、ええですか？」
『えー元気出ない、もうちょっと』
はあ、と少し困ったようなため息。
少しの間の後に、「じゃあ、」と何か思い付いたような北くんが、わたしの顔を胸元から離して上を向かせた。
ふに、と 唇に柔らかい感触がして。
気づいた頃には、目の前に珍しく顔を赤く染めた北くん。
「…元気、出ましたか？」
『で、出ました…』
「料理、冷めてまいますね」
『…うん、食べよっか』
閉店後の店の一角。
向かい合って、手を合わせた。
「『いただきます』」
Fin.
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無気力なおバカ - 北ッサ、可愛い,,,。北さんより年上のお話はあまり見かけないので凄く新鮮です！ (2021年2月7日 0時) (
レス) id: a9db31a77a (このIDを非表示/違反報告)
月埜(プロフ) - ひかりさん» コメントありがとうございます…！3年生組の年下設定が大好きなので 書いていて楽しかったです。次回作も覗いてみて頂けると嬉しいです！ (2019年12月21日 0時) (レス) id: d1ca7a883a (このIDを非表示/違反報告)
ひかり - 「北くんと」の方読みました！この作品の年下の北くんは、珍しくていいなぁっと思いました。これからも応援してます！頑張ってください！ (2019年12月20日 21時) (レス) id: 1b9ecd7dcf (このIDを非表示/違反報告)
月埜(プロフ) - ティラミルクさん» いつもありがとうございます...！年下の北くん絶対かわいいなと思って書きました...今作も最後まで見届けて頂けると嬉しいです！ (2019年12月14日 23時) (レス) id: d1ca7a883a (このIDを非表示/違反報告)
ティラミルク(プロフ) - 毎度つきまとうようにコメントしてしまってごめんなさい(笑)以前から楽しみに見させていただいていたのですが、前作ですっかりファンになってしまいました！この作品は年下北さんが新鮮で可愛いです(*^^*)更新楽しみにしてますね！ (2019年12月14日 21時) (レス) id: edef360b1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月埜 | 作成日時：2019年12月14日 20時
