＊ あと２日。 ページ6
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５日目、…最終日。
ワカメの酢の物を作ろうと思う。
ワカメの酢の物が最終日らしいかと言えばそうでもないけど、逆に最終日らしいメニューも思いつかず、結局これも定食の副菜として出しているものになった。
『…そういえばさ、聞いてなかったけど なんでお母さんじゃなくて わたしに教えてもらおうと思ったの？』
この店で働いているとは言え、わたしは簡単な料理や副菜、仕込みを任せてもらっている程度で、主に厨房で料理を作っているのはわたしの母だ。
半人前とも言えるわたしに教えてもらわずとも、母に教えてもらった方がいいに決まってる。
母は北くんのことを凄く気に入っているし、忙しいとはいえども人のいい母が断ることはまず無いだろう。
水で戻していたワカメを切る北くんに訊ねると、彼はなんとも言えない微妙な表情を浮かべた。
「…それ、どうしても言わないけませんか」
『え、そんなに言えないことなの』
「出来たら、内緒にしときたいんですけど」
唇の前で人差し指を立て 内緒のポーズをしてみせた北くん。
先程とは変わって意地悪な表情になった北くんには、なにか企み事でもあるのだろうか。
『…わかったよ』
「ふふ、すみません」
謝るくらいなら教えてくれてもいいのに、北くんはその理由だけはどうしても教えてくれなかった。
「Aさん、５日間 ありがとうございました」
『いえいえ、喜んで貰えるといいね』
「…はい」
北くんと夕飯を食べ終わり、わたしが食器を洗って 北くんがそれを拭く。
「そういえば、昨日はちゃんと寝ましたか」
『うん、北くんに怒られると思って いつもより早めに寝たよ』
「…そうですか」
『偉い？』
「それが普通です」
厳し〜、と泣き真似をしてみせれば ふふ、と笑う北くん。
今思うと、最近は出会った頃よりも随分と笑顔を見せてくれるようになった。
彼と少しでも仲良くなれていたら嬉しいが、あと残り１日となったこの関係に 寂しい気持ちになってしまうのも、それは仕方ないことだと思うのだ。
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無気力なおバカ - 北ッサ、可愛い,,,。北さんより年上のお話はあまり見かけないので凄く新鮮です！ (2021年2月7日 0時) (
レス) id: a9db31a77a (このIDを非表示/違反報告)
月埜(プロフ) - ひかりさん» コメントありがとうございます…！3年生組の年下設定が大好きなので 書いていて楽しかったです。次回作も覗いてみて頂けると嬉しいです！ (2019年12月21日 0時) (レス) id: d1ca7a883a (このIDを非表示/違反報告)
ひかり - 「北くんと」の方読みました！この作品の年下の北くんは、珍しくていいなぁっと思いました。これからも応援してます！頑張ってください！ (2019年12月20日 21時) (レス) id: 1b9ecd7dcf (このIDを非表示/違反報告)
月埜(プロフ) - ティラミルクさん» いつもありがとうございます...！年下の北くん絶対かわいいなと思って書きました...今作も最後まで見届けて頂けると嬉しいです！ (2019年12月14日 23時) (レス) id: d1ca7a883a (このIDを非表示/違反報告)
ティラミルク(プロフ) - 毎度つきまとうようにコメントしてしまってごめんなさい(笑)以前から楽しみに見させていただいていたのですが、前作ですっかりファンになってしまいました！この作品は年下北さんが新鮮で可愛いです(*^^*)更新楽しみにしてますね！ (2019年12月14日 21時) (レス) id: edef360b1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月埜 | 作成日時：2019年12月14日 20時
