強くなりたい (ページ8)

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強くなってヒーローになればページ8

中学で反省会をしたあと、残ったのは私たち四人だけになった

「……なんで、飛ばなかったんだよ」

飛雄が二人に怒鳴る

「お前が身勝手なトスあげるからだろ！？」

「うんざりなんだよ！王様！」

「お前のトスで飛びたくない！」

「なんだと！？」

勇太郎も、英までも叫ぶ
三人の取っ組み合いが始まる

「やめなよ！こんなのおかしいよ」

三人が私を向く

「お前にはわかんないだろ！！口を出すな！」

「外野のお前に何がわかる！？」

「俺らの気持ちなんて、わかんないだろ！？」

「「引っ込んでろ！」」

三人がハッとした

「今のは……その……」

勇太郎が、金田一が気まずそうに私に言う

「大丈夫だよ。ごめん。私帰る
戸締り宜しくね」

救えなかった
何も出来なかった

その場から逃げ出した

「……ｯ」

ぽたぽたと涙があふれる
喉から嗚咽が漏れる

外野かぁ。
ずっと仲間だとそう思ってたのに

「馬鹿みたい」

心が抉られるように痛かった

「……私は、」

あの場所から、逃げた
傷つきたくなかった
何も、考えられなかったから

私が弱いから、私が……

「強くなりたい」

強かったら、
私が強かったら、

この自体は免れたのだろうか