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無理だと思った ページ5
「お兄ちゃん、大丈夫……？」
「……大丈夫だよ」
力なく笑い、私の頭を撫でる兄
影山くんが入部してからというもの兄の元気がなくなった
影山くんは根っからの天才
バレーにスキルを振り分けすぎてお馬鹿な所もあるけど…
兄は秀才
努力して、努力して、ここまで築いた
「及川さん、サーブ教えてください！」
「嫌だね！バーカバーカ！」
兄は大変だったんだと思う
「お前は道を間違えた」
天才と
「及川さん、サーブ教えてください！」
天才に挟まれて
「……岩ちゃん」
追い込まれた兄は、オーバーワーク気味になった
止めても大丈夫しか言わない
サーブを打って打ち続けていた
そんな兄を救ったのは
「バレーは6人だろうか！！6人で強い方が強いんだよ！！」
幼馴染の岩ちゃんだった
お兄ちゃんには、岩ちゃんがいた
だから、立ち直った
白鳥沢には、負けてしまったけど、立ち直ったお兄ちゃんは高校で頑張ると言っていた
今の兄なら、大丈夫と思って笑い返した
でも、彼には……
「もっと速く動け!! もっと高く跳べ!! 俺のトスに合わせろ!! 勝ちたいなら!!」
彼を止める人は、誰もいなかったんだ
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作者名：月島蓮 | 作成日時：2017年12月25日 23時
