強くなりたい (ページ21)

今日:22 hit、昨日:14 hit、合計:39,003 hit

戻れないと思ったページ21

「分かってる。逃げてばかりじゃ、何も変わらない。
時間の無駄ってこともわかるの」

みんながいる教室で、私は何をしてるの
でも、止まんない

「拒絶されて、笑ってられるほど、私は強くないの」

強くない。むしろ弱い

「ねぇ、Aちゃん。話してくれない？
笑えない理由。何がそんなにしこりになってるのか」

「話しか聴けないけど、知りたいんだ」

みんなが私を見てる
優しい人しかいないの……？

ゆっくりでいいよ。なんて、言うからいうしかない。そう思った

「私、男子バレー部のマネージャーしてたの
そこで、特に仲良くなった三人がいたんだ
国見英、金田一勇太郎、影山飛雄

同じクラスなこともあって、仲良くなって
名前呼びして、遊んだりもしてて」

仲良くなった頃、あの時が一番楽しかった

「私にはお兄ちゃんがいるの。
飛雄は天才で、追い詰められたお兄ちゃんはオーバーワーク気味になった……それを止めたのは幼馴染の岩泉さん。」

わからないと思うのに、みんなは真剣に聞いてくれた

「でも、3年生になった頃、飛雄がオーバーワーク気味になった
お兄ちゃんと違うのは誰も止められなかった

最後の試合で、飛雄は誰も追いつけないようなめちゃくちゃなトスをあげて……初めはみんな着いていこうと必死だった

でもね、もっと速く動け!! もっと高く跳べ!! 俺のトスに合わせろ!! 勝ちたいなら!!なんて言うの

次の瞬間……彼はコート上で孤立した」

止められなかった彼の話をした