強くなりたい (ページ20)

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傷を抱えながら進んだページ20

「自己紹介が遅れたね、僕は中原敦
ここでも、バレー部に入ろうって思ってて、及川さんがここにいるって、牛島さんに聞いたから声をかけに来た。」

「牛島さんが……？」

「お前ら二人は道を間違えた
こちらにこれば良かったのに、と

でも、雄英に来たのはいい選択って言ってたよ。あの人」

彼はクスクスと笑う

「王様……彼の扱いは大変そうだよね
君のマネ力はすごいと思うんだ
だからさ、バレー部入んない！？」

言葉が詰まって、黙っていたら

「へぇ、そんなこと言われたの。可哀想に」

「……え」

「拒絶されたんだ。だから進めずに立ち止まってるんだ」

「なんで、あなた……」

何も言ってないのにどうして？

「僕の個性は心を読む個性
勝手に読んだことは謝るよ

……ねぇ、なんで僕が普通科であんたがヒーロー科なんだろうね」

声が出ない
そしたら、声が聞こえた

「校内で個性の使用は禁止だぞ。中島」

「すいません、相澤先生
顔色が悪かったので、何かあったのかな。と気になったもので、ごめんね」

そういった彼の目は笑っていなかった。

「は、てめえの弱さの理由はそれか」

「爆豪くん…」

「ヒーローになろうって思った理由があんだろ？
いつまでも逃げてたら進まねえぞ」

彼の目が私を射抜く
私の何を知ってるの？

そう思ったけど、それは真実
逃げることしか出来ない私に、その言葉は深く刺さった