男前な彼女の素顔がみたい No.9

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『おーい、隆二さーん？』







なんか急に黙り込んだと思ったら、額に皺がだんだん寄っていってる気が……。








あれ？チャラいって言ったの怒っちゃった？








『隆二ぃー、ねぇ、隆二さーん！』







隆「……、あ？」







『怖っ！え、怒ってる？』







恐る恐る聞いてみれば、ハッとして手を顔の前でブンブン振り回して。









隆「違う違う！！ちょっとその指輪のサイズの時の臣の事を思い出したら、イラっとしちゃった。笑」









なんかよく分かんないけど、うちには怒ってないみたいだからいっか。笑









隆「ペアリングはピッタリだけど、左手の方は少し緩い？」








あんまり気にしてなかったけど、右手のピッタリ具合と比べれば









『うーん、ちょっと……？』









利き手の指より、やっぱり若干細いみたい。









隆「ん、じゃ、今度一緒にお店行こ」









うちの左手の薬指にある指輪を触りながら、当たり前のように、一緒に行こ、って言ってくれる隆二に胸がいっぱいになる。








『ん、行く』








空いてる方の手で、うちの頭をポンポンしてくれる隆二は、にっこり笑ってその手を首の後ろにずらしてグッと引き寄せて優しくて、甘いキスをくれた。









・









隆「よっ、と」









いつの間にか1周回っていた観覧車を降りて、隆二の後ろを歩く。









『ねぇねぇ』







隆「はいはい？」






『婚約指輪、落とさないからつけてていーい？』







観覧車を降りる前に、緩いなら箱に閉まっとくか。って言われたけど。








『うち、絶対落とさないし無くさないから！仕事中は傷つけたくないから外すけど……それ以外はつけてたい。……ダメ？』








左手の薬指に指輪なんてしないから、もっと違和感あるかと思ってたけど、すごくしっくりきてるんだ。









もう、ずっと前から、そこにあるみたいな。








クルッと振り返った隆二はニャンちゅうスマイルで





隆「じゃ、早めにお店にいってサイズ直して貰わないとね？落としちゃう前に！笑」








へへへって笑った。









『だから落とさないって言ってるじゃーん！！』








ハハハっ！て大声で笑う隆二を、




観覧車で真剣にプロポーズしてくれた隆二を、




お化け屋敷で守ってくれた隆二を、








今日の隆二を、うちは絶対忘れない。

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